【生産者インタビュー】渡邊博文様：広告代理店からさつまいも農家に転身！モビマルと連携し、大阪・関西万博で世界に「オオサカポテト」を発信

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公開日：2025/06/02　更新日：2025/06/03

名古屋で広告代理店に勤めていた渡邊博文さんは、農業に魅せられ、大阪・八尾市で株式会社オオサカポテトを立ち上げ、現在は、さつまいも「夢シルク」を栽培・加工販売しています。”大阪産(もん)※”にも認証されたこのさつまいもは、大阪産をはじめとする地域の生産者を応援しているモビマルと連携し、このたび、大阪・関西万博のキッチンカーでスイーツとして提供されることになりました。
渡邊さんの農家転身のきっかけから、モビマルと連携した大阪・関西万博での出店の反響、今後の展望などをお聞きしました

※大阪産(もん)：大阪府内で生産された農林水産物とそれらを使った加工品のこと。
参照：大阪府公式サイト

広告代理店から農家へ──人生を変えた週末農業との出会い

以前は名古屋で広告代理店に勤めており、転勤で大阪に来たのが、2020年のことです。もともとサーフィンやラグビーが趣味だったんですが、大阪ではなかなか続けられず、週末の過ごし方を考えるようになりました。
そんなとき、ふと思い出したんです。「人生でやりたいことリスト」に書いてあった“農業”。気軽な気持ちで週末農業を始めたのが、すべての始まりでした。やってみると面白くて、どんどん農業のことばかり考えるようになって。自然と、広告の仕事より農業のほうに夢中になっていきました。

都会で農業？──不利な条件の中に見つけた可能性

農業をする場所を探していたとき、最初に声をかけてくれたのが八尾の農家さんでした。 Instagramで「大阪農業」と検索して、片っ端からメッセージを送ったんです。そのご縁で八尾に畑を借りることになりました。
八尾は大阪市内からも近くて、人も多い。その分、畑は狭く、点在していて効率も悪いのですが、逆に「消費者がすぐ近くにいる」という都会農業の強みがあることに気づきました。試しに収穫体験を企画してみたら、Instagramだけで数百人が参加してくれて。生産者が直接お客様とつながれる──そんな都会農業ならではの面白さに引き込まれていきました。

「夢シルク」に込められた想い

私たちが育てているさつまいもは「夢シルク」という名前でブランド化しています。ベースは「シルクスイート」という人気の品種ですが、栽培条件や育て方、生産者の理念などを定義づけて、「夢シルク」という独自ブランドを確立しました。
このブランドに込めた想いは3つあります。一つは、都会の子どもたちに自然体験を届けたいということ。二つ目は、大人たちにも一次産業とのつながりを持ってほしいということ。そしてもう一つが、耕作放棄地の再活用です。
大阪をさつまいもの一大産地にしたい。そんな夢のような構想から「夢シルク」という名前が生まれました。

モビマルとの出会い、そして万博へ

夢シルクが大阪産(もん)に認証されていることがきっかけで、食イベントなどを通じて大阪産を応援しているモビマルとの出会いがありました。さらには、モビマルが大阪・関西万博でのキッチンカー出店管理事業者の1社に選ばれ、国内各地域の魅力（地域の食材や観光の魅力など）」を発信する「FOOD TRAVEL」というコンセプトで出店計画を立てている中で、「夢シルク」も大阪の魅力ある食材として紹介いただけることになりました。
最終的には、キッチンカー事業者の方と連携し、4月13日〜5月31日の期間、「夢シルククレープ」として大阪・関西万博で提供いただくことに。
これまでに収穫体験に来てくれた親子連れの方々が、万博でクレープを見つけて喜んでくれたり、SNSで「食べたよ」と教えてくれたり。私たちが育てたさつまいもが、こうして世界に向けて発信されているのを見ると、本当に感慨深いです。

都市農業×加工×プロモーション──広がる夢シルクの可能性

夢シルクは、芋そのものだけでなく、ペーストとしても加工して提供しており、電鉄やコンビニなどの企業とのコラボパンにも使用されています。
今では大阪府内の複数の市町村で夢シルクの畑を広げていて、「大阪43市町村すべてに夢シルク畑を」という目標に向かっています。
ブランドが広がることで、加工品やコラボ展開、OEM、PB商品などもどんどん生まれています。夢シルクを通じて「地域の魅力を伝える商品づくり」が実現できればと考えています。

夢シルクで目指す未来──都市農業から広がる“農業の民主化”

夢シルクは、芋そのものだけでなくペーストとしても加工し、電鉄やコンビニとのコラボ商品としても展開しています。今では大阪府内の複数の市町村で畑を広げ、「大阪43市町村すべてに夢シルク畑を」という目標を掲げています。ブランドの拡大に伴い、OEMやPB商品など新たな商品展開も広がっています。

私たちが目指すのは、「農業の民主化」。誰もが自然と関われる環境を都市の中に作ること。たとえば、秋になると大阪のあちこちに夢シルク畑が開かれ、家族連れが集まって芋を掘り、焼き芋大会を開く──そんな未来を本気で描いています。

農業は大変だけど、楽しい。そして地域や人を元気にする力があると信じています。