キッチンカーでの独立や新規事業を考えているものの、どの種類の車を選べばいいかわからないと悩んでいませんか。車のサイズや車種は、初期費用だけでなく、提供できるメニューや出店できる場所にも大きく影響する非常に重要な要素です。この記事では、キッチンカーの種類ごとの特徴やリアルな価格相場、新車や中古などの調達方法を含めた「失敗しない車種の選び方」を具体的に解説します。最適な1台を見つけて、理想のキッチンカー開業を実現させましょう。
この記事は、こんな人におすすめです
・これからキッチンカーを開業したいと考えている人
・提供したいメニューは決まったが、どの車種が合うか知りたい人
・軽トラか普通車か、自分に最適なキッチンカーの種類で迷っている人
・新車、中古車、レンタルのリアルな費用感や違いを知りたい人
・失敗しない車両選びのポイントを事業者目線で学びたい人
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これからキッチンカーを始めるにあたり、どんな種類の車があるのか、そして費用はいくらくらいかかるのかは最も気になるポイントでしょう。結論から言うと、キッチンカーはベースとなる車のサイズによって主に4つの種類に分けられます。それぞれ出店できる場所の広さや得意なメニュー、そして価格相場が大きく異なります。まずは、以下の比較表で4つのタイプの全体像を把握してみてください。
| 車種タイプ | 車両の目安寸法(長×幅×高) | 適正作業人数 | 車両価格の目安 | おすすめのメニュー | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 軽バン | 約3.4m × 1.4m × 1.9m | 1名 | 約50万〜150万円 | カフェ、クレープなど | 初期費用が安く運転しやすい | 車内での調理スペースが狭い |
| 軽トラック | 約3.4m × 1.4m × 2.5m | 1〜2名 | 約150万〜250万円 | スイーツ、軽食全般 | 出店場所の選択肢が最も広い | 大量販売には向かない |
| 1トンクラス | 約4.7m × 1.7m × 2.7m | 2〜3名 | 約200万〜400万円 | お弁当、揚げ物、本格調理 | 立って作業ができ機材を多く積める | 狭い場所には出店しにくい |
| 1.5トン以上 | 約5.0m〜 × 1.8m〜 × 2.8m〜 | 3名〜 | 約300万〜600万円以上 | イベント向け大量販売 | 複数人で効率よく大量調理が可能 | 購入・維持費が高額 |
※寸法は架装(ボックス部分)を含めた一般的な目安です。
ここからは、実際の営業風景をイメージしながら、1種類ずつさらに詳しく解説していきます。
スズキのハイゼットトラック 画像素材:PIXTA
スズキの「キャリイ」やダイハツの「ハイゼットトラック」などに代表される軽トラックをベースにしたキッチンカーは、取り回しが非常に良く、出店場所の選択肢が最も広いという大きなメリットがあります。スーパーの軒先やオフィス街のちょっとした空きスペースなど、コンパクトな駐車枠でも無理なく営業できるのが魅力です。価格相場としては、新車で製作する場合は約200万円から、中古車をベースにする場合は約150万円からが目安となります。小回りが利くため、初めてのキッチンカーとしても非常におすすめできる車種です。
画像スズキのエブリイ 素材:PIXTA
スズキの「エブリイ」やダイハツの「ハイゼットカーゴ」、ホンダの「N-VAN」などに代表される軽バンタイプのキッチンカーは、なるべく安い資金で始めたいと考えている方に向いています。車体価格が比較的安く抑えられ、普段乗っている乗用車と同じ感覚で運転しやすいため、初心者の方でも安心です。相場感としては、中古の軽バンを改装したものであれば100万円以下から見つけることも可能です。
【現場のリアルな体験談:安さや見た目だけで選んで大失敗?】
「初期費用を抑えたくて、最初は中古の軽バンでカフェを開業しました。しかし、車高が低いため常に中腰で作業しなければならず、数ヶ月で腰を痛めてしまう結果に……。結局、立って作業ができる軽トラベースのキッチンカーに買い替えることになり、余計な費用がかかってしまいました」(カフェ事業者)
このように、軽バンは初期費用が安い反面、車内で立ったままの作業が難しいケースが多いため、あらかじめ自分の作業スタイルや身体的負担を考慮して選ぶことが大切です。
マツダのボンゴ 画像素材:PIXTA
トヨタの「タウンエース」やマツダの「ボンゴ」といった1トンクラスの普通車枠をベースにしたキッチンカーは、車内でしっかりと仕込みや調理を行いたい場合におすすめです。車内空間が広いため、冷蔵庫や複数のコンロ、フライヤーといった本格的な調理設備を無理なく積載できます。また、大人が立ったままスムーズに作業できる広さがあるのも大きな強みです。相場は新車で約350万円から、中古でも約200万円からと初期費用は上がりますが、複数人でのオペレーションが可能になり、売上規模を拡大したい事業者にとっては頼もしい選択肢となります。
画像素材:PIXTA
いすゞの「エルフ」やトヨタの「ダイナ」、日野の「デュトロ」などに代表される1.5トン以上の大型トラックは、音楽フェスや大規模なお祭りなど、大きなイベントで一気に大量の商品を販売したい場合に必須と言えます。車内が圧倒的に広く、3名以上のスタッフが同時に作業しても動線がぶつかりません。大量の食材や資材を一度に運び込める積載力も魅力です。相場は中古でも300万円以上、新車でフルカスタマイズすれば500万円を優に超えることもありますが、大規模イベントでの大きなリターンを狙えるプロ仕様の車種です。
キッチンカーの初期費用は、どの種類の車を選ぶかだけでなく、車をどうやって準備するかによっても大きく変わります。主な調達方法として新車、中古車、レンタルの3つがあり、ご自身の予算や開業計画に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
新車を購入して一からキッチンカーを製作する方法は、最もコストがかかりますが、自分の提供するメニューに合わせた完璧な厨房レイアウトを作れるという最大のメリットがあります。また、車のエンジンや部品が新品であるため、営業途中に車が故障するリスクが非常に低く、長期的に安心して事業を運営できるのも心強いポイントです。
中古のキッチンカーを購入する方法は、すでに設備が整っている車両を見つければすぐに営業を始められ、初期費用も安く抑えられるのが魅力です。しかし、車両自体の劣化状態(走行距離やエンジンの調子)はもちろん、以前のオーナーが使っていた厨房設備が、自分の用途や管轄する保健所の基準に合っているかをしっかりと見極める必要があります。
いきなり車を買うのはハードルが高いという方や、まだ本格的に独立するか迷っている方には、レンタルという選択肢をおすすめします。週末だけお試しで起業してみたい場合や、期間限定で営業したい場合に最もリスクを抑えて始められる方法です。まずはレンタルで実際の営業や運転の感覚を掴んでから、自分に合った車種を購入するというステップを踏むのも賢い選び方です。
結局のところ、自分はどの車を選べばいいのかと迷うかもしれません。失敗しない車種選びのコツは、ご自身がやりたい「メニュー・設備」、想定している「出店場所」、そして「ランニングコスト」という3つの基準を掛け合わせて総合的に判断することです。
まずは、何を売りたいのかを明確にしましょう。提供するメニューによって、必要な機材(冷蔵庫の大きさ、火口の数など)が変わります。とくに注意したいのが、2021年の食品衛生法改正による水タンク容量の基準変更です。
取り扱う品目や工程(単一品目か、複数の工程を伴うかなど)によって、40L、80L、200Lといった具合に必要な給排水タンクの容量が厳密に定められました。たとえば、200Lのタンクが必要なメニューの場合、軽自動車では積載重量やスペースの都合で許可が下りないケースがほとんどです。事前に管轄の保健所に相談し、基準をクリアできる車を選ぶことが絶対条件となります。
【参考】厚生労働省「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」
次に、どこで売るかを考えます。出店予定地がオフィス街の狭い路地裏や、スーパーの小さな空きスペースであれば、大きなトラックでは駐車できず出店を断られてしまいます。自分がメインにしたい出店場所のスペース制限をあらかじめリサーチし、そこをクリアできる車を選ぶ必要があります。
最後に、お金の問題です。キッチンカーは車両代や製作費といった初期費用だけでなく、買った後の維持費も計算に入れておく必要があります。車検代、自動車税、毎月の駐車場代、そして日々のガソリン代など、車のサイズが大きくなるほどこれらのランニングコストは高くなります。買った後の費用がどのくらい違うのかを比較し、無理なく事業を継続できるバランスを見極めましょう。
選び方の基準がわかったところで、ここでは代表的なメニューごとに、どの車種が一番合っているのか具体的なおすすめをご紹介します。
コーヒーなどのカフェドリンクやクレープといったスイーツ類は、比較的少ない機材で調理が完結します。そのため、小回りが利き初期費用も安い軽自動車ベース(軽トラや軽バン)が最適です。見た目も可愛らしくアレンジしやすいため、カフェメニューの雰囲気にもぴったり合います。
車内で本格的な調理を行わず、あらかじめ仕込んだパンやマフィンなどの焼き菓子の「販売」をメインにする場合は、陳列スペースを可愛く作り込める軽バンや、箱型になっている軽トラ+パネルバンが人気です。機材が少ない分、商品のディスプレイにスペースを割き、お客様の目を引くお店作りが可能です。
複数のおかずを盛り付けるお弁当や、炒め物などの加熱調理が多いメニューを提供する場合は、1トンクラスの普通車が安心です。
複数の食材を保管する大型の冷蔵庫や、コンロを置ける広い作業スペースがあり、ピーク時にお客様を待たせることも少なくなります。積載量と作業スペースに余裕がある車種を選ぶことで、売上アップにも直結します。
からあげ等の大量の油を扱うフライヤーや、ラーメンの麺茹で用の大きな寸胴鍋を使用するメニューでは、重い機材や大量の水(200Lタンクなど)を積載する必要があります。軽自動車では積載重量オーバーになる危険性が高いため、1トン以上の普通車や1.5トントラックを選ぶのが鉄則です。
このクラスであれば、中に座席を儲けたバー仕様のまさに「移動型の飲食店」も実現できます。
自分にぴったりの車種のイメージが湧いたら、次はいよいよ具体的な開業準備のステップに進みましょう。車両の手配と同時に重要になるのが、出店場所の確保や営業のノウハウを身につけることです。
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