キッチンカーを開業する際、多くのオーナー様が頭を悩ませるのが給水タンクの選び方です。実は、積載するタンクの容量によって販売できるメニューや調理工程が厳密に決められていることをご存知でしょうか。ここを間違えると、最悪の場合、営業許可が下りないこともあります。この記事では、あなたの作りたいお店に合わせて、確実に許可を取得するための給水タンクの条件と選び方を分かりやすく解説します。
この記事は、こんな人におすすめです
・これからキッチンカーの製作・購入を検討している方
・提供したいメニューが決まっているが、必要なタンク容量が分からない方
・保健所の営業許可基準(給排水設備)について詳しく知りたい方
・給水タンクの設置や配管選びで失敗したくない方
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【都内開催】無料セミナー(実写見学会+講習会)キッチンカーでビジネスを始める上で、給排水設備は提供するメニューと営業許可を決定づける最重要項目です。なぜこれほどまでに給排水のルールが厳しいのかと疑問に思う方も多いかもしれませんが、それは食中毒を防ぎ、お客様に安全な食品を提供するための衛生環境を確保する必要があるためです。
車両という限られたスペースであっても、固定の飲食店と同等の手洗いや器具の洗浄能力が求められます。つまり、適切なサイズの給水タンクとシンクを用意することが、希望通りのメニューを提供するための第一歩となります。
キッチンカーの営業許可取得に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
▼【2026年最新】キッチンカー営業許可の完全ガイド 取得手順を5ステップで徹底解説
キッチンカーの給水タンクは、主に40L、80L、200Lの3段階で基準が設けられていることが一般的です。積載する容量に応じて、車内で調理できる範囲と設置しなければならないシンクの数が決まります。ここではそれぞれの容量について詳しく見ていきましょう。
キッチンカーで提供できる人気メニューについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▼【2026年最新版】キッチンカーで儲かるメニューをランキング形式で解説!
また、容量の少ないタンクでも提供できる簡単メニューについては以下の記事が詳しいです。
タンク容量が40L程度の場合、コーヒーなどの飲料提供や、すでに仕込まれた既製品の盛り付けが中心となる小規模なスタイルに適しています。実現可能なメニュー例としては、各種ドリンク、クレープ、事前にお弁当箱に詰められたお弁当などが挙げられます。
この容量では主に簡易的な調理と手洗いが目的となるため、2槽シンクの設置が目安とされます。配布や作業のスペースが限られる小型車両において、省スペースで運用できる点が大きな特徴です。
80Lの給水タンクは最も汎用性が高く、多くのランチ営業車両が採用する基準となっています。この容量を確保することで、焼いてから盛り付ける、あるいはご飯をよそってルーをかけるといった、おおむね2工程までの調理が可能になります。具体的なメニューとしては、カレーや丼もの、たこ焼きなどが人気です。
シンクの数については2槽から3槽が求められますが、近年は自治体によって手洗い専用のシンクを含めて3槽の設置を求められるケースが増えているため、事前の確認が不可欠です。
200L以上の大容量タンクを積載すれば、生肉からの調理や仕込み作業、多品目メニューの提供など、固定店舗に近い本格的な調理が可能になります。ラーメンや揚げ物といった大量の水を使用するメニューには必須の設備です。
シンクも3槽以上が必要となることが多く、大型設備への投資と、それを設置するための広い車内スペースの確保が求められます。ただし、大容量の給排水設備はそれ自体が車内の作業スペースを圧迫するリスクがあるため、動線を考慮した慎重な設計が必要です。
キッチンカーに設置する給水タンクの素材は、主にポリエチレン製の「ポリタンク」と「ステンレス製」の2種類に分けられます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ご自身のメニューや予算に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。
| 比較項目 | ポリタンク(ポリエチレン製) | ステンレス製 |
|---|---|---|
| 価格 | 非常に安い(1つ数千円程度) | 高価(数万円〜十万円以上) |
| 重量 | 軽い(持ち運び・小分け運用に最適) | 重い(車体に固定して運用) |
| 耐久性 | 経年劣化による割れや臭い移りがある | 非常に高く、長期間清潔に保てる |
| おすすめの運用 | 40L〜80Lの小・中規模、連結運用 | 200L以上の本格調理、一体型運用 |
小規模なカフェやランチ営業からスタートする場合は、安価で丸洗いなどのメンテナンスがしやすいポリタンクの連結運用が圧倒的におすすめです。一方で、200L以上の大容量タンクを必要とする本格的な調理を行う場合は、衛生面と耐久性に優れた特注のステンレス製タンクを車両にしっかりと組み込むのが一般的なスタイルとなります。
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給水タンクからシンクの蛇口へ水を送るためには、専用の給水ポンプが必要です。キッチンカーで主に使用されるポンプは大きく分けて2種類あります。ご自身の用途に合わせて適切なパワーのものを選ばないと、いざ現場で水圧が弱すぎて洗い物ができないといったトラブルに繋がるため注意しましょう。
水中ポンプは、タンクの水の中に直接沈めて使用するタイプのポンプです。構造がシンプルで価格も数千円程度と安く、ホームセンターやネット通販などで手軽に購入できます。20Lのポリタンクを複数連結して使う場合、この水中ポンプをタンクの口から差し込んで運用するのが最も手軽な方法です。ただし、水圧自体はそこまで強くないため、主に手洗いや簡単な器具の洗浄に向いています。
ダイヤフラムポンプは、タンクの外となる配管の途中に設置し、圧力をかけて水を力強く吸い上げる強力なポンプです。固定店舗の水道に近い強い水圧を出すことができるため、油汚れの激しい器具を洗ったり、複数のシンクで同時に水を使ったりする際に大きな威力を発揮します。価格は1万円から数万円と高価になり、設置には配管やバッテリー接続といった電気系統の専門知識が必要になります。
キッチンカーの給水設備を自分で(DIYで)揃えようと考えた場合、必要な機材は身近な場所で調達することが可能です。たとえば、ポリタンクやホース、塩ビ管、ジョイント部品といった基本資材はホームセンターで手に入ります。また、水中ポンプやダイヤフラムポンプ、キャンピングカー用のシンクキットなどの専門的な部品は、Amazonや楽天といったネット通販を活用して揃える方が多いです。
費用の相場についてですが、DIYで給水設備一式を構築する場合、以下のような費用が目安になります。
【給水設備一式の費用相場(DIYの場合)】
40L〜80L(ポリタンク+水中ポンプ+簡易シンク): 約20,000円〜50,000円
200L〜(大型タンク+ダイヤフラムポンプ+業務用シンク): 約100,000円〜300,000円以上
初期費用を抑えるためにDIYで給水設備を構築するオーナー様もいらっしゃいますが、走行中の振動で配管が外れて車内が水浸しになったり、ポンプの配線を間違えてショートさせてしまったりといった失敗談も後を絶ちません。また、素人の配管技術では保健所の厳しい審査に通らないリスクもあります。安全かつ確実に営業許可を取得するためには、水回りだけでもプロのキッチンカー製作会社に依頼することを強くおすすめします。
必要な水の量がわかっても、大きな一体型タンクを一つ車に積むのは現実的ではありません。現在の現場での主流は、20Lのポリタンクを複数連結する小分け運用です。
20Lのポリタンクであれば、水が満タンに入っていても重さは約20kgとなり、大人一人でも持ち運んで給水作業を行うことができます。これは現場において、日々の作業による腰痛を防止するためにも非常に重要な体験談的視点です。
さらに、タンクを一つずつ車から取り外して内部を丸洗いできるため、衛生管理の面でも大きなメリットがあります。常に清潔な水を確保できることは、お客様への安心にもつながります。
連結タンクで営業許可の検査を通過するためには、単にポリタンクを車内に並べているだけでは不十分です。すべてのタンクが専用の連結キットやホースで確実につながり、一つの水中ポンプを通じて一括で給水および排水ができる仕組みを提示する必要があります。この配管がしっかりと固定され、システムとして機能していることを保健所の担当者に理解してもらうことが、スムーズに許可を受けるためのコツです。
給排水設備を車内に設置する際には、重量の偏りや排水の逆流、そして冬場の凍結トラブルなどを防ぐための緻密な設計が不可欠です。
水1Lの重さは1kgです。たとえば100Lの給水と100Lの排水を積載すれば、それだけで200kg近い重量が発生します。満水時の重さが車の最大積載量を超えないよう計算することはもちろん、車両の片側に重さが偏らないようタンクを配置しなければ、走行性能の悪化や車検に通らないといった問題を引き起こすため注意が必要です。
排水タンクを選ぶ際の指導の基本として、給水タンクの容量よりも少し大きめのものを選ぶことが推奨されます。たとえば給水が40Lであれば排水は50Lにするといった具合です。これは、使用した水が排水タンクからあふれ出すのを防ぐための工夫です。
万が一排水があふれてしまうと車内が不衛生になるだけでなく、営業停止処分を受けるリスクにもつながるため、必ず余裕を持ったサイズ選びを心がけてください。
日々の営業を安定して行うためには、メンテナンス性の高さも考慮しなければなりません。冬場の凍結を防止するための保温材の活用や、定期的にホース内の汚れを確認して抜き打ち清掃ができるよう、着脱可能な配管を採用することが理想的です。現場の声を反映した実用的な配管設計にしておくことで、長期的なトラブルを未然に防ぐことができます。
給水タンクに補充する水は、衛生上、どこからでも汲んでよいわけではありません。基本的には、営業許可を取得している仕込み場所(ご自宅のキッチンや契約しているシェアキッチンなど)の水道水を使用するのが原則です。
出店先となるイベント会場やオフィス街で水道を借りられるケースもありますが、その場合は事前に施設管理者へ許可を取る必要があります。なお、公園の手洗い場や公衆トイレの水道を無断で使用することは、衛生面でもルール面でも絶対に避けてください。確実で安全な水源の確保は、営業を続けるための必須条件です。
お客様の口に入るものを扱う以上、給水タンクの衛生管理は徹底しなければなりません。毎日の営業終了後には必ず水を抜き、タンク内を清掃することが基本です。洗浄の際は、食品を扱う設備として安全な「重曹」や「クエン酸」を使用するのがおすすめです。
汚れやぬめりを落とした後は、水気を残さないようしっかりと乾燥させることが最も重要になります。少しでも水分が残っていると、そこからカビや雑菌が繁殖する原因となってしまうため、風通しの良い場所で完全に乾かすルーティンを心がけましょう。
車のサイズによって、現実的に積載できるタンクの限界は異なります。無理な積載は車両の故障や事故を招くため、ご自身のビジネスモデルに合わせた車種選びが重要です。以下の表で、車種タイプ別の推奨タンク容量の目安をご確認ください。
| 車種タイプ | 推奨タンク容量 | メニューや運用の特徴 |
|---|---|---|
| 軽バン | 40L〜80L | 配布スペースが限られるため連結タンクが有効。ドリンクや軽食向け。 |
| 軽トラック | 80L〜100L | 100L超は積載重量とBOXサイズのバランスが鍵。ランチ営業の主流。 |
| 1t・1.5tトラック | 200L以上 | 大容量の給排水設備を余裕を持って設置可能。本格調理向け。 |
ここまで給水タンクの選び方や基準について解説してきましたが、営業許可の細かい基準は各自治体の保健所によって異なるのが実情です。確実な情報を得ずに設備を作ってしまい、申請時にやり直しを命じられるケースも少なくありません。スムーズに開業日を迎えるためには、最新の地域ルールを熟知したプロフェッショナルを頼るのが最短ルートです。
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