トヨタの「ハイエース」は、ビジネスユースに適したワンボックスタイプの車として知られています。荷物をたくさん積める広い車内スペース、高い耐久性、信頼性のあるエンジンなど、業務用車両としての人気が高いですが、実はキッチンカーのベース車両としても優れています。
本記事では、ハイエースをキッチンカーとして活用する方法や、そのメリット・デメリット、適したメニューなどを詳しく解説していきます。
この記事は、こんな方におすすめです。
・ハイエースをキッチンカーとして利用したい
・キッチンカーの開業を考えている
・ハイエースの選び方や改造のポイントを知りたい
・どんなメニューがハイエースのキッチンカーに向いているか知りたい
ハイエースは、運搬車や社用車としてだけでなく、近年ではアウトドアやキャンピングカー用途などにカスタマイズする使い方なども広まってきています。そのカスタマイズ性の高さを活かし、移動販売車(キッチンカー)として活用するケースも増えてきました。
ハイエースがキッチンカーに向いている理由について、以下に解説していきます。
1.広い車内スペース
ハイエースは広々とした荷室を持つ車両のため、調理器具や食材を十分に収納できるほか、冷蔵庫やシンク、作業台を設置するスペースも確保できます。調理スペースを十分に確保できる広さはキッチンカーにとって大きなメリットです。
2. 高い耐久性と信頼性
移動販売では長距離の移動が発生することもありますが、ハイエースは耐久性に優れており、悪路や長時間走行にも対応できます。また、トヨタ製という信頼性も高く、エンジンなどのトラブルが少なく、維持費を抑えながら安心して運用できます。
3.運転のしやすさ
通常のキッチンカーは、キッチンボックスを車両に取り付けるものですが、ハイエースの場合は車体の内部をそのままキッチンスペースに改装することができます。車両そのままで使うことができるため、比較的運転もしやすくなっています。
4. カスタマイズしやすい
ハイエースは広いスペースを利用した改造の自由度が高いため、キッチンカーに必要な設備を搭載することも容易です。また、ワンボックスタイプの車は自由度の高いオリジナルデザインの内装・外装を取り入れることもでき、個性を演出することも可能です。業者に依頼してのカスタマイズだけでなく、DIYでの改造ノウハウも広まっており、コストを抑えることもできます。
5. 中古車市場が豊富で入手しやすい
ハイエースは中古車市場にも多く出回っており、比較的安価に手に入れやすい車種です。キッチンカーの開業費用の大半は、車両の取得に関するもののため、開業コストを抑えたい場合には、中古車のハイエースを活用するのも一つの方法です。
ハイエースは後ろの開口部が大きく、そのまま店舗スペースにもなる 画像素材:PIXTA
ハイエースには「ハイエースバン」「ハイエースワゴン」「ハイエースコミューター」の3タイプがあり、長さやボディタイプ、車高など特性が異なります。また、それぞれのタイプの中でもグレードによって仕様が変わります。
キッチンカーとして使用する際は、販売するメニューや営業スタイルに適した広さを兼ね備えており、望み通りの改装ができるモデルを選ぶことが重要です。
主に荷物の運搬を目的とした商用車のハイエースが、このハイエースバンです。広い荷室が特徴です。キッチンカーのベース車両として人気があります。スーパーロングバンであれば、車内で調理から販売まで完結できるほどのスペースを確保できます。
ハイエースの中では、ボディの形状やルーフタイプが最も細かく分類されており、乗車できる人数も2人~9人乗りまで、幅広いタイプを選ぶことができます。
最大10名が乗ることができるハイエースワゴンは、主に人員の輸送を目的とした乗用車です。乗用をメインとしているため、キッチンカーに改装する場合は大幅な改造が必要になるでしょう。車内は快適に過ごせるように設計されており、高級感のある内装が特徴です。
主に大人数を輸送するためのマイクロバスです。ハイエースの中では唯一、中型自動車に分類されるため、運転する際には中型免許が必要になります。キッチンカーとして利用するには、大規模な改造が必要になるでしょう。
画像素材:PIXTA
ハイエースの最大のメリットは、その広い車内スペースです。キッチンカーに必要な調理器具や食材、販売スペースを十分に確保できます。また、作業スペースも広く取れるため、快適に調理が可能です。
さらに、冷蔵庫や冷凍庫、オーブンなどの設備を自由に設置できるため、多様なメニューを提供しやすくなります。広いスペースを有効に活用することで、より効率的なキッチン環境を作ることができます。
ハイエースは、車高が高すぎないため、比較的高さ制限のある場所でも通行しやすいというメリットがあります。例えば、地下駐車場や立体駐車場にもアクセスしやすく、営業場所の選択肢が広がります。
また、コンパクトな車両に比べて収納力に優れているため、狭いスペースでも無理なく営業できる点も大きな利点です。
ハイエースは、天井の高さが限られているため、車内で直立するのが難しい場合があります。特に背の高い方は、中腰の姿勢で作業を行う必要があり、長時間の営業では腰や膝に負担がかかる可能性があります。
天井の高さを調整する改造を行うことも不可能ではありませんが、コスト面を考えると現実的ではないでしょう。仕込みなどの作業を車内ではなく別の場所で行うようにしたり、営業中は椅子に座って作業・接客できるように工夫することで、負担を軽減することができます。
ハイエースは、一般的な軽自動車や小型車と比べて車体が長いため、運転に慣れるまで時間がかかることがあります。右折・左折などは一般車両と比べて感覚が変わるため、特に狭い道路や駐車場での取り回しには注意が必要です。
しかし、バックモニターや駐車アシスト機能を活用することで、安全に運転できるようになります。また、運転に不安がある場合は、運転技術を向上させるために練習を重ねることが重要です。
ハイエースをキッチンカーに改装する費用は、車両の取得費用とキッチンカー部分の改装費用に分けられます。以下より、それぞれの費用について解説していきます。
画像素材:PIXTA
■新車の場合
新車の場合、ハイエースの取得費用は、グレードやオプションによって大きく異なりますが、おおよそ300万円~500万円程度が目安となります。最新の安全装備や設備を搭載したモデルを選ぶと、費用は高くなります。
■中古車の場合
中古車の場合、ハイエースの取得費用は、年式や走行距離、状態によって大きく異なりますが、おおよそ100万円~300万円程度が目安となります。人気の車種であるため、中古車市場に選択肢が多いことは大きな利点です。走行距離が少なく、状態の良い中古車を選ぶことで、費用を抑えることができます。
■新車の場合
新車の場合、ハイエースの取得費用は、グレードやオプションによって大きく異なりますが、おおよそ300万円~500万円程度が目安となります。最新の安全装備や設備を搭載したモデルを選ぶと、費用は高くなります。
■中古車の場合
中古車の場合、ハイエースの取得費用は、年式や走行距離、状態によって大きく異なりますが、おおよそ100万円~300万円程度が目安となります。人気の車種であるため、中古車市場に選択肢が多いことは大きな利点です。走行距離が少なく、状態の良い中古車を選ぶことで、費用を抑えることができます。
■業者に依頼する場合
業者に依頼する場合、キッチンカー部分の改装費用は、内装のグレードや設備によって大きく異なりますが、おおよそ100万円~300万円程度が目安となります。オーダーメイドで内装を製作する場合や、特殊な設備を搭載する場合は、費用が高くなる傾向があります。
■自作する場合
自作する場合、キッチンカー部分の改装費用は、材料費や工具代などを含めて、おおよそ50万円~150万円程度が目安となります。DIYに自信がある方であれば、費用を大幅に抑えることができます。
ただし、自作する場合、保健所が認める営業許可の設備基準を満たすことができるかが大きな課題になります。また、手間や時間もかかるため、すべてをDIYで行うことは現実的ではありません。大きな改造は業者に任せ、キッチンカーを使いやすくするための細かな部分をDIYで行うようにするなど、資金の使い道を工夫するとよいでしょう。
キッチンカーとして営業するには、保健所の営業許可が必要です。営業許可を得るためには、食品衛生法に定められた基準を満たす内装にする必要があります。具体的には、以下のポイントに注意する必要があります。
■車両は衛生的・安全面に配慮された構造になっているか
食品を取り扱うキッチンカーは、屋外からの汚染を防止し、衛生的に作業を行うことができる構造になっているか、広さは十分であるかを見られます。
■車内が使用目的に応じて区画されているか
運転スペースと調理スペースが分かれているかなど、作業区分に応じて必要な間仕切りがされているか、また、空気の流れがよく十分に換気ができる構造かを見られます。
■給水タンク・排水タンクの容量は適切か
キッチンカーは給水・排水タンクの設置が必須です。タンクの容量によって、仕込みなど許可される作業も変わってくるため、適切なものを設置するようにしてください。
■手洗いシンクは衛生的な構造か
キッチンカーは、手洗い専用のシンクの設置が義務づけられています。手洗い専用のシンクは、手を洗ったあと再度触れなくてよい非接触型(センサー式・足踏み式など)の蛇口が必要になっています。
■ふた付きのゴミ箱は設置されているか
においや水分が漏れないふた付きの廃棄物容器を設置してください。
営業許可の取得方法や保険所への申請手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼【2025年最新版】キッチンカーの営業許可を取得するには? 保健所への申請手順を詳しく解説
ハイエースの車高の低さは、キッチンカー内の移動がややしづらくなることがあるため、なるべくキッチンカー内での作業動線をシンプルにすることで、効率的に調理や販売ができるようになります。調理スペース、販売スペース、洗い場などをスムーズに移動できる配置にしましょう。また、スペースを有効活用するため、コンパクトで多機能な設備を選ぶのも良いでしょう。
販売用の開口部は、お客さんが購入しやすいように、適切な大きさや配置にする必要があります。また、雨天時でも営業できるよう、屋根や庇などを設置するのも良いでしょう。開口部のデザインは、キッチンカーのイメージを大きく左右するため、看板やメニュー表などと併せて検討するとよいでしょう。
先述してきたとおり、ハイエースは、車内で立つことが難しい場合があります。そのため、調理や販売の際に、座って作業できる環境を整えることも重要です。座り心地の良い椅子や、高さ調節可能な調理台などを導入することで、作業効率を上げることができます。
画像素材:PIXTA
ハイエースのキッチンカーに向いているメニューは、以下の点が挙げられます。
ハイエースのキッチンカーは、車内スペースが限られています。そのため、調理に手間がかかるメニューは不向きです。調理の手間が少ないメニューであれば、効率的に調理・販売できます。また、提供までの時間を短縮することで、限られた時間内で大量の注文をさばくことができ、お客の待ち時間も減らすことができます。
カレーライスは、大量の仕込みを事前に行うことができ、提供時にも炊いたご飯の上にカレーをかけるというシンプルなオペレーションが中心になるため、短時間で商品を提供することができます。また、幅広い客層に人気があり、さまざまなバリエーションを作ることもできます。トッピングや辛さ、サイドメニューなどを用意しておけば、客単価を上げつつお客様の満足度を高めることができます。
コーヒーは、オペレーションがシンプルで手軽に提供できるため、ハイエースでのキッチンカーに最適なメニューのひとつです。テイクアウト需要も高く、安定的な収益が見込めます。様々な種類のコーヒー豆を用意したり、ラテアートを施したりすることで、差別化を図ることができます。ブランド豆を利用することで高級志向のキッチンカーにすることもでき、売上にも期待ができるでしょう。
たこ焼きは、使用する機材がシンプル、かつ一度に大量に調理できるため、短時間で商品を提供することができます。食事やおやつ・おつまみとして、子供から大人まで幅広い客層に人気があることも強みです。
ソースの種類を豊富にしたり、季節限定のたこ焼きを提供したりすることで、お客に飽きられることなく、安定的な人気を見込むことができます。
キッチンカーで儲かるメニューについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
▼【2025年最新版】移動販売で儲かるメニューをランキング形式で解説!
ハイエースは、広い車内スペースや高い耐久性・信頼性から、キッチンカーのベース車両として人気があります。ハイエースでキッチンカーを開業する際は、ご自身の希望するメニューや予算に合わせて、最適な車種や改造プランを選ぶようにしましょう。
この記事を参考にして、理想のキッチンカーを実現してください。
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