【美容院カー開業インタビュー】美容院が移動する時代に！誰もが気軽に利用できる世界を実現したい

地域創生の取り組み

公開日：2024/04/01　更新日：2024/08/02

「Hair healing アカシア」の美容院カー外観

移動販売車といえば、多くの方はキッチンカーを思い浮かべると思いますが、最近は様々な業種の移動販売車が出てきているのをご存知でしょうか？今回は、全国でも数少ない「美容院カー」を紹介します！
奈良を拠点に、カットとスパを「美容院カー」で2024年5月5日から提供を開始する「Hair healing アカシア」代表の山崎さん。「誰もが気軽に利用できる世界を実現したい」と意気込む山崎さんに、美容院カーを作ろうと決めたきっかけやこれまでの準備、今後の展開についてお話を伺いました。

美容師勤務時代の一人のお客様が移動美容院開業のきっかけに

元々、奈良県内の美容院2店舗で6、7年ほど美容師として勤務していて、将来は固定店舗での開業を目標にしていました。
勤務していた時、遠方から車椅子で通ってくださる常連のお客様がいらっしゃいました。
そのお客様を見るたびに、「これからの美容の新しい形を作りたい」と考えるようになりました。

また、奈良の地域性でもありますが、住んでいた街が少子高齢化が進んでいたことも影響しています。今後の美容院のあり方を考えると、お客様の来店をただ待つだけでなく、お客様のご自宅に呼んでいただけるようなスタイルの方がニーズがあるのではないかと思い、移動型の美容院を始めようと思い至りました。

直面した様々な課題

いざ美容院カーを作ろうと思った時にまず悩んだことは、「どこに依頼すればいいのか」ということでした。ネットで検索すると販売サイトはありましたが、美容については各自治体の条例に違いがあるため、営業したい地域に対応してくれる会社を探すことから始めました。
まず、キャンピングカーを見に行ったのですが、そこでは対応できず、その会社の方がモビマルを紹介してくれました。

車を作り始めてから、自治体によって条例の違いが多いことも改めてわかりました。例えば、トラックが小さすぎるとお客様が限定されてしまう（障がい者・妊婦の方のみが対象）という課題がありました。
例えば私の美容院カーは3トントラックで一般の方から障がいのある方までご利用いただけますが、大阪などではもう少し小さいサイズでも全ての人を対象に営業が可能です。

また、美容院カーに重要なものの一つに水があります。これについてはタンクを設置することで解決しました。カラーリングやパーマにも対応できる十分な水を用意することが可能となっています。

他にも、今後の出店先の開拓など、営業を始めてから確認したり挑戦することがこれからもたくさんあるかと思いますが、一つひとつ丁寧に対応していけば解決できると自信を持っています。

自然成分にこだわったシャンプー剤や、時間に合わせたスパで癒しを提供

「Hair healing アカシア」の美容院カー外観

美容院カーでこだわったポイントは、外観をかわいいデザインにして一般的な美容院のように楽しみに車内にお入りいただけるようにしたこと。そして、車内で使うシャンプー剤や薬剤については自然成分などにこだわったものにしていることです。

車内はエアコンも完備

提供メニューはカットとヘッドスパをメインにしており、特にヘッドスパは、10分・30分・60分コースをご用意。使うシャンプー剤もお客様にお選びいただくスタイルです。これまでヘッドスパを体験されたことがない方にも広くアプローチしたいと考えています。

世の中には、体は動くけれども美容室に行くのが大変、時間が取れないなどたくさんの課題を抱えた方が多くいらっしゃいます。そのような方々に、美容室から向かわせていただくというのは一つのアピールポイントだと思っています。将来的には、マンションなどの駐車場をお借りして、その住民の方との連携なども視野に入れていきたいですね。

ゆったりと過ごせる車内

今後の展望

美容で癒しを提供するのが私の目標ですが、次の展開として2つ予定しています。一つ目は、妻が制作・販売しているハンドメイドのヘアゴム、ヘアクリップ、ピアスなどのアクセサリーも今後販売すること。二つ目としては、今後の美容メニューについては、カットができるスタイリストよりも早くスタッフとしてデビューが可能な、ヘッドスパのスタッフを育成し、店舗または移動スタイルで展開したいと考えています。