【出店者インタビュー】「io-Pizza Napoletana」宮下元様:大学3年生が石窯を積んで始めたナポリピッツァ。母校のキャンパスから広げる出店の輪

キッチンカー開業
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キッチンカーをはじめとする移動販売事業は、実店舗に比べて始めやすい一方で、限られた設備と時間の中でどう商品力を打ち出すかが問われます。
今回お話を伺った「io-Pizza Napoletana」は、同志社大学に通う現役の学生が、大学の友人とともに車両を一からつくり上げ、2026年4月に営業を開始したナポリピッツァのキッチンカーです。800キロの石窯を積み込み、24時間発酵させた生地にこだわった一枚を、母校のキャンパスを中心に提供しています。
代表の宮下元さんに、高校時代のアルバイトで料理人を志した背景から、生地と窯へのこだわり、競合が並ぶ現場で選ばれるための姿勢まで、詳しくお話を伺いました。

高校のアルバイト先で見た、「かっこいい料理人」の姿

からあげ178の歴史は、名古屋市内にあった実店舗から始まりました。

高校生の頃から、京都・十条にあるイタリアンでアルバイトをさせてもらっていました。働いているうちにイタリアンはかっこいいと思うようになり、ある程度しっかりピッツァを焼かせてもらえるようにもなって、これなら自分でも出せる、と感じるようになりました。

働いていたのは地元密着型のお店でしたが、在籍中に店舗展開が始まり、新しいお店がミシュランに掲載されました。料理人の姿を間近で見る機会は、同世代の中ではかなり多い方だったと思います。

お客様がお店にいらっしゃるのは1時間、長くて2時間です。そこに向けて朝から夜遅くまで仕込みをして、ピッツァであれば生地の加水率まで、とことんこだわる。命を削るような姿を見て、自分も同じようにやりたいと思いました。

目指しているのは、キッチンカー事業者というより料理人です。その第一歩として、大学在学中に始めることを決めました。モビマルというプラットフォームがあることも、石窯を積んだキッチンカーを運営していたアルバイト先の方に教えていただきました。

24時間発酵の生地と、広島から運んだ800キロの石窯

とにかく生地にこだわっています。出店の前日から24時間、発酵を取るようにしていて、ゆっくり発酵させるほど生地はおいしくなります。温度管理も徹底し、その日の気温や湿度をみながら、営業が始まる瞬間にちょうど良い状態になるよう、24時間前から合わせにいく作業をしています。

小麦粉は、ナポリの老舗で、有名なピッツェリアの多くが使っているカプートを3割ほど、国産の小麦を7割ほど合わせています。ナポリのピッツァは具材ではなく生地を食べていただくものなので、メニューはシンプルに絞っています。

石窯はインターネットで見つけ、広島まで下見に行って決めました。キッチンカーは空の車両を愛知から運び、林業をされている先輩にフォークリフトをお借りして、800キロほどある石窯を積み込みました。冷蔵庫やシンクも、保健所の基準を満たすよう友人たちと調べながら取り付けています。

窯は大きいほど熱の入りが良く、お客様から見ても見応えがあります。オーブンでは火が入るまでに時間がかかり、生地が硬くなりやすいのですが、石窯であれば短時間で最高の状態に焼き上げられます。


まずは母校のキャンパスへ。初出店で100枚を完売

車両の製作は2025年10月から、同志社大学に通う友人たちと進めました。一緒につくるからには、まず新町キャンパスに出したい。それが最初の目標でした。ちょうどモビマルが新町キャンパスの出店を扱い始めた時期でもあり、登録して機会をいただきました。

初出店は2026年5月12日です。事前に宣伝したこともあって当日は大行列となり、100枚を売り切ることができました。友人だけでなく大学の教授も足を運んでくださり、みなさんが自分のピッツァを食べている光景を見て、泣きそうになりました。

現在は新町・京田辺の両キャンパスに、それぞれ月3回ほど出店しています。大学では800円から900円ほどで提供していますが、本来はもう少し高い価格帯の商品です。まずは知っていただくことを優先し、抑えられるところは抑えました。

その価格を支えているのが、モビマルのサブスクサービス「モビ放題」です。大学での出店料がかからない分を、そのままお客様に還元できています。平日の大学出店に加え、土日はみやこめっせ前をはじめ、北野天満宮や大阪、高槻など、京都府内外のイベントにも出店しています。


競合が並ぶ現場で、選んでいただくために

お店での経験はありましたが、キッチンカーには別の難しさがありました。店内であれば、生地を伸ばすのも焼くのもある程度自分の時間でできますが、キッチンカーは作業がずっと見られています。行列が伸びていく中で、早く提供しなければという焦りもありました。

イベントでも大学でも、競合は目の前や隣に並びます。大学には何年も出店されている人気のメロンパン屋さんがいて、多くの方がそちらへ向かわれます。土日は大きな肉の塊を削るケバブ屋さんの隣に出店することもあり、学生がピッツァを売っていても、見た目で選んでいただけるとは限りません。かなりメンタルが鍛えられました。

それでも、自分のところに来てくださったお客様には絶対においしい一枚を焼く。そう決めて続けているうちに、少しずつお客様がついてくださるようになりました。

7月には間借りでピッツェリアのスペースをお借りし、実店舗としての営業にも挑戦しました。京田辺キャンパスで通ってくださっているお客様が、はるばる足を運んでくださって。「おいしかったからもう一度来た」「今日は知り合いを連れてきたので、この人たちにも食べさせてあげてほしい」と言っていただけることもあります。もう一度来ていただけることが、飲食の全てだと思っています。告知はInstagramを中心に、出店中の看板と合わせて行っています。


目標は「料理人の経営者」。地元をリトルイタリアに

就職活動はしないつもりです。いろんなお店を展開できる、料理人であり経営者でもある立場を目指しています。ただ、まずは自分に実績がなければ、誰も一緒に働きたいとは思ってくださいません。ピッツァの大会で賞を取ること、このキッチンカーをきちんと成功させること。そうした実績を積み上げていきたいと考えています。

最終的な目標は、地元にお店を集めることです。実家は愛知県の稲沢で、衛星写真で見ると一面が緑という地域なのですが、そこにピッツェリアやカジュアルなイタリアンを出して、一つのリトルイタリアのようにして、多くの方に来ていただきたいと思っています。そのためには人脈が必要ですので、今のうちから優秀な方々と関わり、将来一緒に仕事ができる関係をつくっていきたいです。



io-Pizza Napoletanaについて

現役同志社大学生の宮下さんが、大学の友人とともに立ち上げたナポリピッツァのキッチンカー。2026年4月から営業をスタート。800キロの石窯と24時間発酵させた生地にこだわり、同志社大学の新町・京田辺両キャンパスを中心に、京都府内外のイベントにも出店しています。関西全域対応可能。

Instagram :  https://www.instagram.com/io_pizza_napoletana/