東京でキッチンカー(フードトラック・移動販売)を開業するには? 補助金や許可申請などを解説

キッチンカー開業
公開日:2024/09/16 更新日:2024/09/17
東京タワーの写っている景色

画像素材:PIXTA


日本の首都である東京は、日本最大のビジネスエリアであり、世界的な観光地としてもその名を馳せています。ビジネスチャンスも多い東京でキッチンカーを開業するにはどうすればよいのでしょうか。補助金や許可申請など、開業に必要な情報をまとめました。

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新規参入できる? 東京のキッチンカー(フードトラック・移動販売)事情

東京は、日本屈指の大規模なビジネス街を多数有しているため、近隣県から出勤してくる人々でランチタイム需要が高まる地域が多い点。キッチンカーの需要も高く、大規模オフィスビルの周辺には7~8台以上のキッチンカーが出店できるスペースがあることも。

また、週末には展示会やマーケットなど、大型のイベントも各地で行われています。平日・週末とキッチンカーの需要は大きいのですが、人気の場所・イベントは既存の業者ですでに埋まっていることも多く、商品やサービスにおける他社との差別化をはからないとすぐに淘汰されてしまう厳しさもあるのが東京の特徴です。

■東京でキッチンカーを開業するメリット

・平日ランチタイム需要が大きく、客単価も高く期待できる
・週末に各地でイベントが開催され、観光需要も高い

■東京でキッチンカーを開業するデメリット

・固定型店舗・キッチンカー問わず、ライバルが多い
・人気のある場所・イベントへの新規参入が難しい

東京でキッチンカーを開業する時に必要な資格

東京都でキッチンカー(移動販売)を開業するにあたって必要な資格・許可は、「食品衛生責任者」と「飲食店営業許可(営業許可)」の2つです。

■食品衛生責任者

キッチンカーは食品を取り扱う飲食店に分類されるため、開業にあたって最低1名、食品衛生責任者の資格を持つ人が必要です。資格を得るには、食品衛生協会で行っている講習を計6時間受講する必要があります。受講はオンラインでも可能なため、忙しい人でも取得しやすい資格です。受講料は自治体によって異なる場合がありますが、東京都の場合、受講料は12,000円となっています。

■営業許可(都内一円)

キッチンカーの営業地の管轄保健所に飲食店としての営業許可を申請します。有効期限は5年間で、更新が必要です。営業許可は車ごとに取得します。必要書類は以下の通りで、キッチンカー完成の10日前までを目安に申請を行います。

東京都のキッチンカー営業許可における必要書類

1.営業許可申請書
2.施設の構造及び設備を示す図面(2通)
3.営業の大要
4.許可申請手数料(9300円)
5.食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

キッチンカーの営業許可は、営業予定地の管轄の保健所すべてで申請が必要ですが、東京都の場合は「都内一円」で申請できるため、都内の保健所であればどこでも営業申請ができます。ただし他県での営業を考えている場合は、その管轄の保健所にも営業許可の申請が必要です。

▼東京都保険衛生局 「営業許可・届出の概要」

飲食店の店員がノートパソコンを見ながら悩んでいる写真

画像素材:PIXTA


東京でキッチンカーを開業する時に利用できる補助金は?

東京で「キッチンカーの開業」に特化した補助金は、2024年8月現在ありません。 ただし、起業に使える補助金、もしくはすでに事業を行っている場合、業態を転換するための補助金を利用できる可能性があります。

<創業助成金(東京都中小企業振興公社)>

都内で創業を予定している、または創業して5年未満の中小企業者等の方に、従業員人件費、賃借料、広告費等、創業初期に必要な経費の一部を助成する制度。

・補助上限額:100万円~400円(※事業費及び人件費を助成対象とする助成金の助成限度額:上限300万円/委託費を助成対象とする助成金の助成限度額:上限100万円)

・補助率:2/3以内 ・補助対象経費:建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費等

▼TOKYO創業ステーション 創業助成事業

<事業再構築補助金>

事業再構築(新分野展開、業種・業態・事業転換、事業再編等)に取り組む中小企業等を支援するための制度で、申請には「認定経営革新等支援機関による事業計画の確認」や「付加価値額の向上(申請枠毎に異なる)」などを満たす必要があります。

「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」、「産業構造転換枠」、「物価高騰対策・回復再生応援枠」などさまざまな枠が用意されています。

・補助上限額:100万円~1.5億円(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・補助率:1/2~3/4(※申請枠や企業規模等によって異なる)
・補助対象経費:建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費等

▼事業再構築補助金

<ものづくり補助金>

革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善等を行う、中小企業等を支援するための制度です。「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」、「グローバル市場開拓枠」が設けられています。

基本要件として「給与支給総額を年率平均1.5%以上増加」、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い」、「付加価値額を年率平均3%以上増加」を満たす3~5年の事業計画策定、実施する必要があります。

・補助上限額:100万円~4,000万円(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・補助率:1/2~2/3(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費等

▼ものづくり補助金

<小規模事業者持続化補助金>

小規模事業者等の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する補助金です。「通常枠」、「賃金引上げ枠」、「卒業枠」、「後継者支援枠」、「創業枠」などの枠があります。インボイス特例が設けられており、「免税事業者から適格請求書発行事業者への転換」などの要件を満たした事業者は、補助上限額が50万円上乗せされる制度です。

・補助上限額:通常枠=50万円、賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠=200万円(※インボイス特例適用事業者は50万円上乗せ)
・補助率:2/3(※賃金引上げ枠のうち、赤字事業者は3/4)
・補助対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費

▼小規模事業者持続化補助金

営業中の二台のキッチンカー

画像素材:PIXTA


競争相手の多い東京のキッチンカー。差別化の方法は?

東京でのキッチンカー開業は多くのリターンが期待できますが、既存の同業者との競争も激しいため、他社との差別化は必須の課題となります。ここでは、同業者との差別化できるポイントについて解説します。

■メニュー・サービスで差別化する

キッチンカーで差別化できる最大のポイントは、提供する商品です。その際の戦略にはさまざまなパターンが考えられますが、人気の定番メニューを扱うとしても、たとえばこだわりの材料を使用する、盛り付け方を工夫する、容器などのパッケージングにこだわる、トッピングが無料で選べる……など、さまざまな施策が考えられます。

■宣伝で差別化する

今の時代、たとえどんなに良いものを作っていても、知られなければ意味がありません。広告やチラシ、ウェブサイトを通じた告知はもちろんですが、InstagramやTikTokなど、ビジュアルが伝わるSNSを利用してバズを狙うといった戦略を行っているキッチンカーも多く、その中で目立つためにはどうしたらいいか考えて施策を行いましょう。

■見た目で差別化する

視覚情報で差別化すると、お客の目に留まりやすくなります。メニューの見た目を「映え」させるのはもちろんですが、キッチンカー自体のデザインや、メニューや値段が大きく掲載できるタペストリー、看板など、写真やデザインにこだわり、「どういった物が出てくるのか」をわかりやすく伝えましょう。

個性を出せる街「東京」で、キッチンカーを開業しよう

東京という土地柄では、少々マニアックな商品でも受け入れられやすく、イベント出店などでは客の支払う単価も上がります。平日はオフィス街、週末は繁華街やイベントといった、戦略的な動き方をすることで、売上の最大化を狙いましょう。

東京は日本の中でも特殊な街です。流行の移り変わりも激しく、何が成功に繋がるかわかりません。失敗するリスクはもちろんありますが、大きなリターンも期待できるこの街で、キッチンカーを始めるあなたのチャレンジを「モビマル」は応援します!

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