初期費用を抑えて開業できることから近年注目を集めているキッチンカー(移動販売車)。新車・中古車の購入や、レンタル・リースなどキッチンカーを用意する方法は様々です。
車や機械に詳しく、DIYに慣れている人のなかには、こだわりのキッチンカーを自作してみたいという人もいるのではないでしょうか?
今回は「キッチンカーの自作」について、そのメリットや手順を解説します。あなたならではの夢が詰まったキッチンカーを手に入れるイメージを、より具体的にしてみましょう。
この記事は、こんな人におすすめです。
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キッチンカーは店舗型の飲食店と比べ費用を抑えて開業できますが、それでも初期費用として250万円~400万円程度はかかります。そしてその費用の大半が「車の取得費用」です。
そのため初期費用を抑えたい場合は、車の取得費用を抑えることが大きなポイントとなります。
新車や中古車を購入したり、レンタルやリースでキッチンカーを用意する場合、車種により幅はありますが以下の費用がかかります。
▶キッチンカーの値段はいくら?新車・中古・レンタル・リースの値段と利点を徹底比較
レンタルやリースの場合は、設備を改造することは基本的にできません。
新車や中古車を購入する場合は、必要な設備が整っていれば追加費用はかかりませんが、整っていない場合やカスタムしたい場合は改造のための費用が必要になります。
キッチンカーの製作費用は車種や機材のほか、手を入れる程度で大きく異なりますが、一般的には100万円~250万円ほどかかります。
そのため小型の中古車を安く購入しても、ある程度の改造が必要であればキッチンカーの取得に150万円以上はかかる計算になります。
設備が整ったキッチンカーで営業したいけれど、初期費用はできるだけ抑えたい。
この希望を叶えるために考えられるのは、以下の方法です。
設備や動線などにこだわりがある人ほど、希望通りのキッチンカーを見つけるのは大変です。
探す苦労を考えると、車の改造やDIYの経験がある人なら自作も選択肢に入ってくるでしょう。
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自作のメリットは何といってもコストを最大限に抑え、安く開業できる点です。
自分自身で改造する場合、かかる費用は機材や設備の実費で済みます。人件費を節約できる分、機材にお金をかけることも可能です。
また、カスタマイズ性が高いのも大きな魅力です。
設備の配置やデザインなど、細部まで好みの仕様にできるので、より愛着も湧くでしょう。
将来的には、メニュー変更による設備交換や故障などに柔軟に対応できる点も大きなメリットです。
【DIYのメリット】
デメリットとしては、時間と手間がかかることが挙げられます。
キッチンカーの製作と並行して開業準備を行わなくてはいけませんし、開業まで別の仕事を続けているケースもあるでしょう。
思うように製作時間が作れずに、施工期間が延びてしまうケースも考えられます。
また、すでにDIYの技術や工具が揃っていれば問題ありませんが、必要な工具をイチから揃えると経費がかさんでしまいます。
さらに、電気やガスの専門知識も必要です。
素人の作業では安全性の担保が難しく、車検や営業許可が通らないことも。事故やトラブルを防ぐため、正しい知識を身につけていることが大切です。
特に電気に関しては、「第二種電気工事士」以上の国家資格が必要となる場合もあります。資格がなかったり、どこまで作業してもいいのか不安な時には、専門知識が必要な作業だけでも業者に頼みましょう。
【DIYのデメリット】
ここからは、キッチンカーを自作(DIY)する際の大まかな流れを解説します。
まずは実際に手を動かす前の、事前準備から順を追って見ていきましょう。
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キッチンカーの開業には、管轄の保健所に申請して営業許可をもらう必要があります。
保健所が定める要件をクリアするために必要な設備などを把握してから、製作の計画を立てましょう。
営業許可の基準は保健所によって微妙に異なるので、必ず出店予定エリアや車庫証明があるエリアを管轄する保健所に問い合わせてください。
キッチンカーのベースとなる車は、軽トラやバン、1tトラックなどが一般的。初期費用をより抑えるためには中古車を選びましょう。
自作が前提ではありますが、希望の設備が整っていれば手を入れる場所も少なくて済みます。また、希望の機材が入っていれば、機材購入費も節約できます。
「中身は自作するから、車は安ければ何でもいい」と考えず、少しでも手間暇や費用が節約できる車を選んだほうがいいでしょう。
▶キッチンカーを「譲ります」で買う前に!後悔しない中古車選びのコツを解説
車を取得するにあたっては車庫証明が必要ですが、製作のための作業ができる場所の確保も必要です。
作業場には十分な広さはもちろん、工具や機材の管理、廃材の処分、近隣への作業音や換気などにも配慮が必要です。
自宅ガレージでの作業が難しい場合は、作業が可能な倉庫やレンタルガレージ、シェア工房などを手配する必要があります。
電源が確保でき、騒音対策や換気が十分で、悪天候への対応ができる場所を選びましょう。
ベースとなる車両をもとに、基礎となる床材や間仕切り、営業に必要な設備や機材を手配します。
主に必要な設備は以下の通りです。
その他、保健所の要件と、提供するメニューに応じて対応しましょう。
ベースとなる車両がすでにキッチンカーとしての設備を備えていれば、新たに手配する資材や設備も少なく済みます。
▶キッチンカーに必要な設備を徹底解説! 営業許可取得から日々の運営まで用途別に紹介
保健所で要件を確認して必要な資材や設備が揃ったら、いよいよ作業に入ります。ここでは基礎から手掛ける際の流れをご紹介します。
ある程度設備が整っている車両を購入できれば、作業の大幅な短縮が可能です。
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まずは希望の設備、動線などを具体的に検討して設計図を描きましょう。手で描いても構いませんし、フリーのCADソフトなどを使っても構いません。
入れる設備や必要な調理スペースなど、寸法をきちんと計算しておくと製作時の思わぬミスを防げます。
また、作業の手順を間違えて作り直しや資材の再購入などが起きないよう、設計とあわせて一つひとつの作業の順番もしっかりとシミュレーションしておきましょう。
最初にキッチンカーの基礎となる「箱」の部分から作ります。
キッチンカーの「箱」となる部分の素材は主に4つ。
価格が安いのは木材やアルミです。木材は木目を活かして温かみのある雰囲気に仕上げられます。
一方FRP(繊維強化プラスチック)素材を使うと、丸みがある車両に仕上げられます。
なお、すでにキッチンカーとなっている中古車を購入すると、この作業とコストがカットできます。
次に全体のレイアウトを作ります。バンタイプの車の場合は、後部座席を撤去してから行います。
まずは調理スペースと運転席を分ける間仕切りを設けて、床を作成。
続いて、内部の設備や仕様を決めていきます。設備の位置や営業中の動きだけでなく、水道の配管や電気の配線も考慮してレイアウトを決めましょう。
シンクや冷蔵庫などの設置場所は使い勝手に応じて決めていきますが、営業許可取得の要件に沿って限られたスペースに必要な設備を設置するので、ある程度定番のレイアウトに落ち着くと思います。
シンクや給排水設備、調理台、電源装置、換気扇などを設置します。
調理台や冷蔵庫など重量と大きさのある設備も多いため、設置の順番は重要です。二度手間などにならないよう、配置する手順をよく検討しましょう。
最後に、車両外側のラッピングや塗装を行います。
外装デザインはお店の印象を決定する重要な「顔」です。提供するメニューや出店場所、目指すお店の雰囲気などに合わせてデザインを考えましょう。
お客様の目に留まりやすいデザインにすることで売上も変わります。タペストリーや看板をかける場所なども想定して外装を完成させましょう。
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自作キッチンカーが完成したら、いよいよ手続きに入ります。
車両を改造しているので、開業には営業許可のほかにも車両そのものに対する手続きが必要となります。
自作のキッチンカーは、国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」を満たし、車検をクリアしなければ公道を走ることができません。改造後に必ず車検を受けましょう。
詳しい保安基準は、国土交通省のサイトをチェックしてください。
改造によって4人乗りの車を2人乗りにしたなど、外寸・重量・乗車定員・形状が車検証と異なる仕様の車両になった場合は「構造変更申請」を行う必要があります。管轄する運輸支局等で書類審査と実車検査を受けましょう。
書類審査には1週間~10日間ほどかかり、通過後に実車検査(予約制)を行います。問題がなければ、新しい車検証が発行されます。
車検証が1ナンバーや4ナンバーになっているキッチンカーは、車検の際にキッチン設備を取り外さなくてはいけませんが、8ナンバー(加工車・移動販売車)ならその必要はありません。
2年ごとの車検のたびにキッチン設備を取り外す手間をなくすため、管轄する運輸支局等で8ナンバーを取得しておきましょう。
なお、8ナンバーを取得するには、要件に合った設備を備え付ける必要があります。詳しい要件は、国土交通省のサイトをチェックしてください。
▶国土交通省:「自動車の用途等の区分について(依命通達)」の細部取扱いについて
キッチンカーと車検証が整ったら、いよいよ管轄の保健所に営業許可の申請をします。
事前に要件をしっかりと確認して、それに沿ったキッチンカーを製作できていれば、問題なく許可が下りるでしょう。
▶【2026年最新】キッチンカー営業許可の完全ガイド 取得手順を5ステップで徹底解説
車やDIYに詳しい方になら、車両入手の費用を抑えるのに大きなメリットのあるキッチンカーの自作。とは言え、それなりの知識や技術が必要になるので、誰にでもおすすめできる方法ではありません。
ここで一度、キッチンカーの自作における注意点を整理しましょう。
キッチンカーは、キッチンとしての性能も大切ですが、車両としての安全性が何よりも重要です。改造を施した上で、実際に公道を問題なく走れる車でなくてはいけません。
車両に対する専門知識や技術がないと安全面に不安が残りますし、走行できない車では営業そのものができなくなってしまいます。
キッチンカービジネスを開業するために必要な最初の課題は、保健所から営業許可をもらうことです。
営業許可をもらうためには、管轄の保健所が定める条件をクリアするキッチンカーを製作しなくてはいけません。
シンクや給排水タンクのサイズが正しいか、衛生面がきちんと保てる素材や設備を使用しているかなど、細かな要件を理解し、それに合わせた設備を正しく設置する必要があります。
もし間違えて基準に合わないキッチンカーを製作してしまった場合、修正にさらに費用と手間が発生するのでよく注意しましょう。
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キッチンカーを自作する人の多くは、初期費用の節約を大きな目的としていると思います。こだわりのキッチンカーの夢は広がりますが、金銭面の問題を度外視はできません。
キッチンカーの製作には、キッチン設備の購入のほかにも様々な費用がかかります。
例えば工具類。電気ドリルやグラインダーなど、作業に必要な工具が揃っているかどうか事前に確認しましょう。工具の購入から始めると、その分の経費がかかってしまいます。
また、工具を購入して作業を始めてみたにも関わらず、上手く使いこなせずに途中で業者に依頼してしまった場合、余計な費用がかかる上に工具も無駄になってしまいます。
さらに、中途半端に改造された車両を業者に引き渡すと別途手数料がかかるケースもあります。
自宅ガレージなどで作業ができない場合は、作業場を手配するにも費用がかかります。
作業が効率よく進めばいいのですが、開業準備や本業とのバランス、DIYへの慣れの問題などで作業に時間がかかってしまった場合、作業場にかかる費用もかさんでしまうでしょう。
日常的に車両改造やDIYを行っていない人は、思った以上にお金がかかるケースもあるので、自作をすることで本当に初期費用の節約になっているのかをトータルで検討しましょう。
キッチンカーの自作(DIY)は、電気系統の工事以外なら素人が行っても法的にはまったく問題ありません。車検が通り、営業許可証を取得できれば開業できます。
ですが、もし長く安心して使えるキッチンカーを作る専門知識や技術力に不安があるなら、自作をあきらめて業者に委ねる決断も必要です。
キッチンカー事業の本番は開業後。事業をスムーズに軌道に乗せるためには、入念な準備や情報収集が重要です。車両製作に時間や手間を費やすよりも、飲食店営業の知識や運営の工夫に時間を割いたほうが長く事業を続けていくためにはおすすめです。
また、業者に依頼すると確かに初期費用は高くなりますが、アドバイスやアフターケアを受けられることもあります。
自分自身で車両を安全に製作し、将来的な改造や修理・修繕も問題なくできる自信があれば自作をおすすめしますが、不安が残る場合は本当に自作が必要かどうか、事業計画をよく検討して自分に合った方法を考えてみましょう。
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キッチンカーを自作するにも、まずは車両の入手が必須。さらにキッチンカー製作の知識や技術を身につける必要があります。
「最小限の改造で済む中古車が欲しい」「車両改造は慣れているけれど、キッチンカーの自作は初めて」など。
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