キッチンカーのフライヤーの種類と選び方は? 業務用ガス・電気の違いやおすすめ機種を解説
キッチンカーで唐揚げやポテトなど、人気の揚げ物メニューを提供したい! そう考えていても、「どんなフライヤーを選べばいいの?」「ガスや電気の準備はどうするの?」といった疑問や不安で、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。フライヤー選びは、メニューの品質や提供スピード、さらには運営全体の安全性に直結する重要なポイントです。この記事を読めば、あなたの理想のキッチンカーに最適なフライヤーの選び方から、必要な設備、安全に運営するための知識まで、すべてがわかります。
この記事は、こんな人におすすめです
・これからキッチンカーを開業し、揚げ物メニューを扱いたい方
・ガス式と電気式フライヤーのどちらを選ぶべきか迷っている方
・フライヤー設置に必要な設備や、保健所の許可について詳しく知りたい方
・安全対策や火災予防のポイントをしっかり押さえておきたい方
・コストと性能のバランスが取れた、おすすめのフライヤーを知りたい方
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キッチンカーに導入するフライヤーを選ぶ際、まず決めなければならない大きな分岐点が2つあります。
1.熱源を「ガス式」にするか「電気式」にするか
2.形状を「卓上型」にするか「据え置き型」にするか
例えば、揚げ物を今後の主力商品にしたいのであれば、大量調理に向いたガス式・据え置き型のフライヤーを基軸にキッチンカーのレイアウトを考えることもできるでしょう。一方、揚げ物はサイドメニューとして扱う場合や、イベントによって提供を調整したい場合などは、卓上型のものを都度積み込むという考え方もあります。
これらの「方式」と「型」の選択は、提供するメニュー、キッチンスペース、初期費用、そして運営の安全性に大きく影響します。ガス式は火力が強いですがLPガスの設置が必要となり、電気式は手軽ですが大容量の電源が求められます。また、卓上式は省スペースですが一度に調理できる量が限られます。安全性なども鑑みるとメリット・デメリットがあり、これらのタイプの違いを理解し、自身のキッチンカーに最適なフライヤーを選ぶことが求められます。
フライヤーは「熱源(ガス・電気)」と「形状(卓上・据え置き)」の組み合わせで、主に4つのタイプに分けられます。それぞれの特徴を比較表にまとめましたので、ご自身のキッチンカーのコンセプトや規模と照らし合わせて最適なタイプを見つけましょう。
| タイプ | 卓上ガス式 | 卓上電気式 | 据え置きガス式 | 据え置き電気式 |
|---|---|---|---|---|
| 火力 | 強い | 比較的弱い | 非常に強い | 強い |
| 設置 | 省スペース、LPガス設置・換気必須 | 省スペース、大容量電源が必要 | 広いスペース、LPガス設置・換気必須 | 広いスペース、大容量電源が必要 |
| コスト | 本体:中 燃料(ガス):安 |
本体:安 燃料(電気):高 |
本体:高 燃料(ガス):安 |
本体:高 燃料(電気):高 |
| 温度管理 | 手動調整のものも | 自動(サーモスタット) | 高機能なものが多い | 自動(サーモスタット) |
| メリット | コンパクトで高火力 | 手軽で安全、省スペース | 大量調理、早い提供速度 | 大量調理、正確な温度管理 |
| デメリット | ガス設置の手間、油量少ない | 火力弱め、連続調理には向かない | 高価、設置スペース大 | かなり高価、大容量電源必須、選択肢が少ない |
| おすすめ | 省スペースで本格的な味を追求したい | 安全性と手軽さ優先、サブメニューで揚げ物を提供したい場合 | 揚げ物メインやイベント出店など、大量に素早く提供したい場合 | 大量調理で、品質を安定させたい場合 |
それぞれの方式について、次項より詳しく解説していきます。
画像素材:PIXTA
熱源の「ガス」と「電気」は、キッチンカーの整備において悩ましい選択肢の一つです。それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
こんな場合におすすめ…
・揚げ物をキッチンカーの主力商品にしたい人
・大量の商品を素早く提供したい人
ガス式フライヤーの最大のメリットは、そのパワフルな火力です。油の温度が下がっても素早く設定温度まで回復させる力があるため、冷凍ポテトや唐揚げなど、温度が下がりやすい食材を連続して大量に調理する場合に適しています。イベント出店などで大量の注文を捌く際にもスピーディーな提供が可能になり、揚げ上がりもカリッとになるのも魅力です。
また、一般的にLPガスは電気(特に発電機使用時)に比べてランニングコストを抑えられる傾向にあります。
デメリットとしては、LPガス(プロパンガス)のボンベを車内に設置する必要があることです。これには専門業者との契約や、法令に基づいた適切な設置・固定、そして十分な換気設備の確保が不可欠です。火を直接扱うため、電気式に比べて火災のリスク管理もより重要になります。
ガス式を選ぶ場合、キッチンカーの限られたスペースと換気能力を考慮する必要があります。おすすめは、排熱が比較的少なく、安全装置(立ち消え安全装置など)がしっかり搭載されている業務用モデルです。また、省エネ性能が高いタイプを選ぶと、ランニングコストの削減にもつながります。
こんな場合におすすめ…
・精密な揚げ温度の管理が必要な商品を扱う場合
・取り扱う人が多く、高い安全性を求める時
電気式フライヤーのメリットは、設置の手軽さと安全性です。LPガスのような専門的な設置工事や厳格な換気規定(もちろん換気は必要ですが)が不要で、電源さえ確保できれば使用できます。火を使わないため、火災リスクがガス式に比べて低く、操作も簡単な機種が多いのが特徴です。
また、サーモスタット(温度調節機能)が搭載されているため、設定した温度を自動でキープしてくれます。油の温度管理が容易なため、揚げ物調理の経験が浅い方でも品質を安定させやすいという利点があります。
デメリットは、火力の面でガス式に劣る場合があり、食材を入れた油の温度が戻るのが遅い傾向があります。また、消費電力が非常に大きい(1500W~3000W以上)ため、キッチンカーで使うには大容量の発電機や、出店場所での外部電源の確保が必須となります。
電気式を選ぶ際は、まず消費電力を確認しましょう。キッチンカーに搭載する発電機の容量でまかなえるかどうかが重要です。おすすめは、温度復帰が比較的早いとされる200V対応モデル(ただし、より大容量の電源が必要)や、省スペースで設置できる小型の業務用モデルです。家庭用(100V)の卓上フライヤーもありますが、連続調理には向かないため、提供スピードが求められるキッチンカーでは業務用を選びましょう。
次に、形状の違いです。キッチンスペースや提供量によって、卓上式か据え置き型かを選びます。
こんな場合におすすめ…
・設置スペースが限られている
・サイドメニューで揚げ物を扱いたい
・イベント時のみなど、臨時で揚げ物を提供したい
卓上型フライヤーは、その名の通り作業台(コールドテーブルなど)の上に設置できるコンパクトなタイプです。最大のメリットは省スペース性で、軽バンタイプのキッチンカーなど、スペースが限られている場合に最適です。
また、導入コストも比較的安価なモデルが多いです。揚げ物がサブメニューであったり、提供量がそれほど多くない場合に適しています。ただし、油の容量が少ないため、大量調理には向きません。
卓上型を選ぶなら、清掃がしやすいシンプルな構造のものがおすすめです。特に電気式の場合、万が一の吹きこぼれなども考慮し、防水性や安全機能が備わっているかを確認しましょう。ガス式の場合は、周囲への排熱や油はねを考慮し、十分なスペースと防熱板(または不燃材の壁)を確保できるサイズを選びます。
こんな場合におすすめ…
・キッチンカーのサイズに余裕がある場合
・揚げ物メイン・大量調理が必要な場合
据え置き型(スタンドタイプ)は、床に直接設置する大型のフライヤーです。油の容量が大きく、一度に大量の調理が可能です。ガス式・電気式ともに高火力・高性能なモデルが多く、揚げ物をメインメニューとして安定的に大量供給したい場合に適しています。
本体が大きく重量もあるため安定性が高く、安全に作業できるのもメリットです。デメリットは、広い設置スペースが必要なことと、導入コストが高額になる点です。
据え置き型を選ぶ場合は、将来的な売上規模も見据えて投資する必要があります。おすすめは、油の交換や清掃がしやすい「油槽回転式」や、油の酸化を遅らせる「ろ過機能付き」のモデルです。初期費用はかかりますが、日々の清掃の手間や油代の節約につながり、長期的なコスト削減が期待できます。
フライヤーのタイプが決まったら、次は具体的な「サイズ(油量)」を決めます。
まずは、メインで提供するメニューと、1日にどれくらいの量を販売したいかをシミュレーションします。例えば、フライドポテト(約170~180℃)と鶏の唐揚げ(約160~170℃、二度揚げも)では、適温や一度に投入できる量が異なります。
ピーク時にどれくらいの注文が予想されるか、どれくらいのスピードで提供できればお客様を待たせないかを基準に、必要な油量を逆算しましょう。一般的に、小規模な卓上型で4~8リットル、据え置き型では10リットル以上の容量があります。
どれだけ大容量のフライヤーが欲しくても、キッチンカーに設置できなければ意味がありません。フライヤー本体のサイズだけでなく、以下のスペースも考慮する必要があります。
1.作業動線の確保:フライヤーの前に人が立ち、安全に作業できるスペース。
2.食材の配置:揚げる前・揚げたあとの食材を置くスペース。
3.安全な離隔距離:壁や他の機器から、火災予防のために必要な距離(特にガス式)。 4.換気扇(フード)の直下:油煙を効率よく排出できる位置にします。
これらの要素を考慮し、車内のレイアウト図面上で最適なサイズを決定することが重要です。
本項では、ガス式・電気式に加え、それぞれ卓上式・据え置き式のフライヤーのおすすめ機種を紹介します。キッチンカーのサイズやメニュー、予算によって合致する機種は変わるため、
業務用フライヤー マルゼン 涼厨ガスフライヤー 卓上型 MGF-C12TJ
キッチンカーにうれしい奥行きを抑えた卓上型タイプ。ポテトや唐揚げといったサイドメニューに向き、揚げ物を取り扱わない日は簡単に外すことができるのは卓上式フライヤーの大きな利点です。
本体からの放熱を抑え厨房環境を向上/油槽全体を断熱材で覆い周囲に空気断熱層を設けており、最適化された機器内部の気流が機器からの輻射熱・表面温度上昇を抑えます。また、排気ガスが拡散しない煙突構造、低輻射構造なのも嬉しい点です。
【商品詳細】
商品型式:MGF-C12TJ
商品名称:涼厨シリーズ ガス卓上フライヤー
製造メーカー:株式会社マルゼン
外形寸法(mm):400(間口)×510(奥行)×400(高さ) 65(バック高さ)
重量:28kg
油量:12L
ガス消費量(都市ガス):6.40kW(5500kcal/h)
ガス消費量(LPガス):5.81kW(0.42kg/h)
ガス接続口(都市ガス):13mm(ゴム管口)
ガス接続口(LPガス):9.5mm(ゴム管口)
加熱方式:中間加熱方式
安全装置:立消え安全装置(サーモカップル方式)・加熱防止装置
業務用フライヤー マルゼン 涼厨ガスフライヤー 1槽型 MGF-C13K
据え置き式なら一槽式タイプが省スペースでおすすめ。油槽全体を断熱材で覆い周囲に空気断熱層を設けており、最適化された機器内部の気流が本体の熱を奪い機器からの輻射熱・表面温度上昇を抑えるため、キッチンカー内の温度が比較的上がりづらいのがポイント。手が触れやすい前面には取り外し可能なヒートプロテクターを備え、安全性にも配慮されています。
【商品詳細】
商品型式:MGF-C13K
商品名称:涼厨シリーズ 1槽式ガスフライヤー
製造メーカー:株式会社マルゼン
外形寸法(mm):330(間口)×610(奥行)×800(高さ) 150(バック高さ)
重量:35.5kg
油量:13L
ガス消費量(都市ガス):6.40kW(5500kcal/h)
ガス消費量(LPガス):6.40kW(0.46kg/h)
ガス接続口(都市ガス):15A(R1/2)
ガス接続口(LPガス):15A(R1/2)
加熱方式:中間加熱方式
安全装置:立消え安全装置(サーモカップル方式)・加熱防止装置
【電気式・卓上型】TB卓上電気フライヤー 7L TBEF-7
安全性を求めるなら電気式・卓上型。手軽さと、選択肢の多さも魅力です。本機種はヒーターから放射される遠赤外線が、油の局部加熱を防ぎながらムラなく加熱。これによって油の劣化を抑え、食材の風味を生かしておいしく揚げることが可能です。
高性能サーモスタットが、油温を一定に保ちます。ヒーターユニットと油槽は取り外し可能でお手入れ簡単なのも魅力的。
商品名:【TB】卓上電気フライヤー 7L
型番:TBEF-7
メーカー:テンポスオリジナル
サイズ:W270×D380×H330
揚げカゴ 外寸サイズ:W208mm×D208mm×H139mm(取っ手部分のみ200mm)
電源:単相100V
消費電力:1450W
【電気式/据え置き型】MEF-WL13B マルゼン 電気ダブルオートリフトフライヤー
電気式の据え置き型は選択肢が少ないながら高機能のモデルが揃っています。本機種は「オートリフト機構」を搭載した2つのフライカゴで調理時間の異なるメニューも1人で同時調理可能。設定された調理時間になるとフライカゴが自動的にリフトアップするので、フライドポテトと唐揚げなど異なる二種類のメニューを一人で調理できます。13Lと18Lの2タイプのほか、卓上タイプも。
商品名:電気ダブルオートリフトフライヤー
商品型番/型式MEF-WL13B
メーカー:マルゼン
外形寸法間口350×奥行600×高さ800mm
油量:13L
電源(50/60Hz):3Φ 200V
消費電力:4.8kW
必要手元開閉器容量:20A
電源コード:2m 接地3P 20A引掛プラグ付
製品重量:46kg
キッチンカーの開業費用を抑えるため、中古フライヤーの導入を検討する方も多いでしょう。確かにコストメリットは大きいですが、注意点もあります。
中古品は、前の所有者の使用状況やメンテナンス状況が不明確な場合があります。特にガス機器は、不具合があるとガス漏れや火災など重大な事故につながる恐れがあります。また、油汚れがひどいと清掃に多大な労力がかかりますし、パッキンなどの消耗品が劣化している可能性も高いです。 もし中古で購入する場合は、信頼できる業務用厨房機器の専門業者から、清掃・メンテナンス済みの保証付き製品を選ぶことを強くおすすめします。また、購入前に必ず、開業する地域の保健所の基準(安全装置の有無など)を満たしているかを確認しましょう。
フライヤーは、本体を購入するだけでは使えません。安全に運営するために必須となる設備があります。
ガス式フライヤーを使用するには、LPガス(プロパンガス)の供給契約が必要です。キッチンカーでLPガスを使用する場合、高圧ガス保安法に基づき、ボンベの固定方法、設置場所、換気などについて厳格な基準が定められています。
必ず専門のガス業者に相談し、法令を遵守した設置工事を行ってもらってください。保健所の営業許可申請の際にも、ガスの設置状況は厳しくチェックされます。
電気式フライヤーは、非常に大きな電力を消費します。キッチンカーの電源の主力となる発電機は、フライヤーの消費電力(W数)を余裕でカバーできる容量のものを選ぶ必要があります。
例えば、消費電力2000Wのフライヤーを使う場合、他の機器(冷蔵庫、照明、換気扇など)の使用電力も考慮し、最低でも3.0kVA(3000W)以上、できれば4.0kVA以上の発電機を用意すると安心です。容量が不足すると、フライヤーのパワーが落ちたり、ブレーカーが落ちて営業がストップしたりする原因となります。
発電機の選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▼キッチンカーにおすすめの発電機はどれ? 特徴と選び方を解説!
フライヤーを導入すれば、キッチンカーのメニューが一気に充実します。ここでは、キッチンカー人気の揚げ物メニューについて解説します。
キッチンカーの人気メニュー・儲かるメニューについては以下の記事でも詳しく解説しています。
▼【2025年最新版】キッチンカーで儲かるメニューをランキング形式で解説!
画像素材:PIXTA
軽食・おやつ・おつまみにもなるため、メインでもサイドとしても老若男女問わず人気の定番メニューです。下味や衣、揚げ方、薬味などでオリジナリティを出しやすく、専門店として勝負することも可能です。
軽食などタイミングを選ばず人気のメニューであり、唐揚げなどと併せて提供するのにも最適です。冷凍ポテトを使えばオペレーションも簡単なのでサイドメニューとして活躍します。
また、じゃがいものカットやディップするソース、シーズニングなどで差別化を図れるため、こちらも専門店として勝負できるポテンシャルがあります。
揚げたてを提供できるのがキッチンカーの強みです。原価は低く抑えられるシンプルなシュガードーナツから、トッピングを工夫したカラフルなものまで、バリエーションも豊富に出せるため人気です。出店地が固定されている場合、「手土産」としてまとめ買いする人の需要も期待できます。
給食で人気だった昔懐かしい揚げパンは、近年リバイバルしているメニューです。きなこ、ココア、シナモンなど、フレーバー展開も容易にできます。また、カレーパンなども観光地では人気が高く、人気です。
軽食やランチ需要にも応えられる、食べ応えのあるメニューです。揚げたてを提供することで、スーパーの惣菜との差別化が明確になります。バンズを用意すればバーガーにも展開でき、単価アップが期待できます。
フライヤーを導入しても、揚げ方が悪ければ商品の魅力は半減してしまいます。本項では揚げ物をおいしく調理する基本的なコツを解説します。
美味しい揚げ物の基本は、正確な温度管理です。野菜は低温でじっくり、肉や魚介は中温で火を通し、二度揚げで高温で仕上げるなど、素材ごとに最適な温度帯があります。特に電気式フライヤーは温度設定が容易ですが、ガス式の場合はこまめに温度計でチェックする習慣をつけましょう。
油は、空気に触れたり、食材のカスが混入したりすることで時間とともに酸化します。酸化した油は、味や香りが悪くなるだけでなく、健康にも良くありません。油の色が濃くなったり、泡が消えにくくなったりしたら交換のサインです。営業終了後には必ず油をこし、定期的に新しい油と交換しましょう。
フライヤーを清潔に保つことは、衛生管理(保健所の指導項目)と、商品の味を保つ上で非常に重要です。
※本項は基本的な手順を解説しますが、お手入れの手順は導入する機種により異なる場合があるため、必ず取扱説明書を確認してください
まず、営業が終了し、油が安全な温度まで冷めたことを確認してから、油槽から油を抜きます。この時、油こし器を使って揚げカスを取り除いておくと、油の再利用(継ぎ足し)もしやすくなります。
油を抜いた油槽に、専用のクリーナーまたはお湯で薄めた中性洗剤を入れます。スポンジやブラシで内部の汚れをこすり落とします。
一般的には洗剤で洗った後、一度すすぎ、次にお湯(または水)を規定量まで入れてフライヤーを運転させます。沸騰させることで、配管内部などに残った油汚れを浮き上がらせることができます。その後、お湯を排出し、乾いた布で水分をしっかり拭き取れば完了です。
営業で使用した大量の廃油は、適切に処理しなければなりません。
最も確実なのは、廃油回収の専門業者と契約することです。定期的にキッチンカーや拠点を巡回し、溜まった廃油を回収してくれます。環境負荷も少なく、手間もかからないため、多くの事業者がこの方法を選んでいます。
卓上式などで廃油が少量の場合は、市販の廃油処理剤(油を固める凝固剤)を使用する方法もあります。固めた油は、通常「燃えるごみ」として廃棄されますが、キッチンカーは事業系ごみとなるため、廃油は「産業廃棄物」です。あくまでも固める方法は、廃油を扱いやすくするためのものだと考えましょう。
フライヤーは油を高温で熱するため、キッチンカー内で最も火災リスクが高い設備の一つです。安全対策は万全を期す必要があります。
油火災に対応した「業務用消火器」(ABC消火器や強化液消火器)を、フライヤーのすぐ近くに必ず設置します。これは保健所の許可や消防の指導でも必須項目です。
油煙や熱気を車外に排出するため、フライヤーの真上には強力な換気扇(フード)を設置します。一酸化炭素中毒や熱中症の予防にも不可欠です。
フライヤーの周囲の壁や床は、ステンレスや防熱板などの不燃材で施工することが義務付けられています。
ガス漏れ警報器の設置や、ボンベの適切な固定、営業終了時の元栓確認を徹底します。
タコ足配線を避け、コンセントやコードが水に濡れないよう管理します。発電機の容量オーバーにも注意が必要です。
キッチンカーにおけるフライヤーは、唐揚げやポテトといった集客力の高い人気メニューを提供するための強力な武器となります。ガス式/電気式、卓上型/据え置き型か、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のキッチンカーの規模、メニュー、そして最も重要な安全対策を考慮して、最適な一台を選びましょう。
正しい選び方と適切な運用が、あなたのキッチンカービジネスの成功を力強く後押しします。
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