近年、費用を抑えて開業できることや自由度の高い営業ができることから、キッチンカーが起業の選択肢として人気です。本記事ではキッチンカーの開業における「開業資金」について解説します。キッチンカーを開業するには、どれくらいかかるのか、開業資金が足りない場合に、何をどのように申請すればいいかなどのお悩みを解決します。
この記事はこんな人に向いています。
・キッチンカーの開業を考えている
・なるべく費用を抑えてキッチンカーを開業したい
・キッチンカーの開業や運営にどんなお金がかかるか知りたい
・キッチンカーの開業資金の調達方法について知りたい
・キッチンカーの補助金や助成金について知りたい
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キッチンカーの開業にかかる資金は、250万円~400万円程度と言われています。もっと安く開業することも可能ではありますが、安心して運営をするのであれば、運転資金を多めに用意するに越したことはありません。
一般的に店舗型飲食店を開業する場合、日本政策金融公庫による2023年度の調査によると、開業資金の平均は1,027万円で、相場としては1000万~1300万円ほどとも言われています。昨今の物価高で、開業費用は増加傾向にありますが、店舗型飲食店に比べ、キッチンカーの開業費用は初期費用が大幅に抑えられることが特徴です。
初期費用(イニシャルコスト)の内訳は以下の通りです。
・キッチンカー(車本体)の購入・レンタル費用
・車両改装費
・内装・設備導入費
・営業許可取得費/食品衛生責任者取得費
上記にくわえて
・出店場所代
・人件費
・燃料代
・保険料
・広告宣伝費
などの初期の営業に関する費用も初期費用に含む考え方があります。以下より、それぞれの費用について詳しく解説していきます。
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キッチンカーでの開業において、キッチンカーの購入費用は初期費用の7~8割以上と大半を占める要素です。開業するキッチンカーの規模にもよりますが、一人で開業するのに一般的な軽トラタイプのキッチンカーを新車購入すると、おおよそ250~300万程度が相場になります。キッチンカーの取得を新規で行う場合、車を購入してから車両改装費が加わるため、このような値段になります。
キッチンカーを購入するには、新車、もしくは中古車で購入することができます。購入にあたっての支払いは分割やリース購入なども選べます。また、お試しで営業をしてみたい場合や、飲食店を経営していてスポットでイベント等に参加する際には、キッチンカーをレンタルするという選択肢もあります。
■購入の場合
実は、新車で「キッチンカー」という車は販売していません。土台となる車を購入し、キッチンボックスを設置する車両改装を行うことでキッチンカーを購入することができます。新車での購入の場合、先述の通り250~350万円ほどがかかります。
キッチンカーを中古車で購入することで、約50~100万円程度費用を抑えることも可能です。しかし、中古のキッチンカーは市場でも人気が高く、状態のいいものが安く購入できることは稀です。また、中古の場合は設備が取り外されているなど、営業許可を取得できない状態のものがあることにも注意が必要です。
初期費用が用意できない場合は、リース購入という方法があります。リース会社が代理購入した料金を月々支払い続ける車両取得手段で、一定期間は解約ができないこと、経理上の手続きが分割と異なることがネックになる場合があります。月々の支払いが一定になるため、初期費用を大きく抑えることが可能です。
■レンタルの場合
初期費用を抑えて車を利用したいのであれば、キッチンカーをレンタルすることもできます。キッチンカーのレンタル料は、業者やサイズによって1日あたり1~4万円程度が相場で、長い目で見ると他の車両取得手段と比べてかなり割高になります。
1週間、1か月などまとまった期間をレンタルする場合は多くの業者で割引になり、例えば1日4万円のキッチンカーであれば、18万円/週、40万円/月、といったように1日あたりの料金は下がっていきます。しかしながら、購入と比べて割高になることは言うまでもありません。
飲食店を経営しており、スポットでイベントに参加するなどの場合にはレンタルも選択肢に入りますが、それ以外の場合、特に中長期的にキッチンカーの運営をしたい場合には、購入を検討した方が無難でしょう。
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キッチンカーの新車購入を購入する場合には購入代に含まれますが、車本体を購入して別で内装・設備を用意し、導入する方法もあります。
その場合は、車本体の取得費用に加えて、機材代や改装費用で80万円~150万円ほどが相場と言われています。一般的ではありませんが、内装費と設備を分けて考えることもできます。以下より解説していきます。
■内装費用
キッチンカーの「内装」とは、キッチンカーが調理を行うための設備を設置するための床や壁・天井、配管から、文字通り「インテリア」を指す場合まで多岐にわたる言葉です。汚染による食中毒を起こさないための安全性の担保にかかわるため、衛生的に管理できる状態で内装が導入されているかは、保健所から取得する営業許可にも関わる大切な要素です。
内装工事とは、キッチンカーの配管やガス・電気・水道といったインフラ、キッチンカーを使いやすくするための間取りの作成も含まれるため、通常であれば100~150万円ほどかかるのが相場です。
設備・調理器具の導入
キッチンカーでどんなメニューを提供するかによって、必要な調理器具は変わります。例えば、ホットドッグの場合はパンやソーセージを焼くグリドルが必要になりますし、唐揚げやフライドポテトを提供する場合はフライヤーが必要になります。
機材の価格は、ものや状態によって変わりますが、焼きそばやお好み焼き・ホットドッグなどが作れるグリドルで8~10万円、ケバブマシーンで7~8万円程度といわれています。機材を設置する位置は、キッチンカーの使い勝手によって変わってくるため、通常は内装と同じタイミングで機材を選び、それに合わせた配管や動線を作ることが一般的です。
また、キッチンカーの内装や設備については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▼キッチンカーの内装で重要なポイントは?おしゃれな内装や費用について解説
キッチンカーを営業するためには、保健所から取得する営業許可が必要です。営業許可は、営業地を管轄する予定の保健所に申請します。
営業許可取得費用は、都道府県によって異なりますが、東京都の場合18,300円です。都道府県をまたぐ場合など、営業地が複数にわたる場合は、それぞれの土地を管轄する保健所に営業許可を申請する必要があるため、その分許可申請費用がかかる点に気をつけてください。
また、食品衛生責任者の資格を持つ人が一人以上必要になります。全国の食品衛生協会による食品衛生責任者養成講習会に参加することで取得できます。受講料は、東京都の場合、12,000円です。食品衛生責任者は、調理師など特定の資格には予め含まれているため、以下の資格を持つ人は新たに講習を受ける必要はありません。
<食品衛生責任者講習を受ける必要のない資格(一部)>
・調理師
・栄養士
・製菓衛生師
・食品衛生管理者、または食品衛生監視員になれる資格(医師、薬剤師など)
キッチンカーの営業許可取得の方法や費用については、下記記事でも詳しく解説しています。
▼【2024年最新版】キッチンカーの営業許可を取得するには? 保健所への申請手順を詳しく解説
営業するキッチンカーは、自動車保険や、販売品が原因で食中毒などを起こしてしまった場合への賠償を補償してくれるPL保険(生産物賠償責任保険)、施設所有者賠償責任保険などへの加入が一般的です。
保険料の目安は車両タイプによっても変わりますが、自動車保険で年間8万円~10万円、PL保険で年間1万円、施設所有者賠償責任保険で年間70000円~程度がおおよその目安です。
開業した直後に出店する場所への出店料を初期費用として含める考え方もあります。キッチンカーの出店場所には、駐車場や施設の空きスペースがあります。出店料については、1日あたりで平日3,000円~1万円程度、週末で1万円~程度が相場ですが、立地などの条件によってはこの限りではありません。
また、イベントへの出店も可能です。良い出店場所を見つけることは、キッチンカーにとっての生命線になります。モビマルには、空きスペース・イベント問わず、全国からのキッチンカー出店場所の情報が集まっているので、開業を考えている地域にどのような場所があるか、一度見てみるのもいいかもしれません。
人々にキッチンカーを認知してもらい、お客として来てもらうための費用です。ホームページやチラシの作成、看板やのぼり、タペストリーなどの作成もこの中に含まれます。目安としてチラシ印刷代は1000枚で5000~1万円、ホームページの作成で5万円~15万円程度です。
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初期費用(イニシャルコスト)の他に、キッチンカーを日々運営するためには運転資金(ランニングコスト)が必要です。ランニングコストは、提供する商品や運営体制によって変わりますが、おおよそワンオペタイプのキッチンカーで10万~20万円ほどかかると以下のようなものが考えられます。
・キッチンカーの維持費(税金・駐車場代)
・交通費
・水道光熱費
・材料仕入れ代
・容器・カトラリーなどの消耗品代
・出店場所代
・宣伝広告費
それぞれのランニングコストについて解説していきます。
キッチンカーを持っているだけでかかるお金は「税金」「駐車場代」の2つです。
税金はさらに「重量税」と「自動車税」があり、キッチンカーの規模によって金額が変わります。軽トラを改装したキッチンカーの場合、1t以下の重量税で11,400円+印紙代、自動車税は排気1L 以下で23600円、合計で年間5~6万円ほどかかります。
また、不定期での整備代金や、2年ごとに車検費用がかかることも覚えておきましょう。
キッチンカーは日々の営業場所まで移動が必要なため、ガソリン代や高速代などが交通費となります。
キッチンカーの仕込みや調理作業には、水道やガス、電気代といった水道光熱費がかかります。水道光熱費は売上額の1.5%前後に抑えるべきとされています。月の売上目標が100万円の場合、水道光熱費の目安は1万5千円程度です。
キッチンカーの日々の営業には、商品の仕入れが必要です。提供する商品によって仕入れ代は異なりますが、飲食店同様、商品の原価は売上額の「30%まで」に抑えるという目安は同じです。たとえば1日3万~5万円程度の売上を予定して商品を用意するのであれば、原材料費は1日あたり1万~1万5千円程度/月額30万円前後が目安となります。
商品を提供するにあたって使用するお皿や容器、包み紙、そして割り箸や使い捨てのカトラリーなどの消耗品が必要になります。2、3万円を目安に考えておきましょう。
キッチンカーは、駐車場や施設の空きスペース、またはイベントなどに出店しますが、基本的に「出店料」がかかります。1日あたりで平日3,000円~1万円程度、週末で1万円~程度が相場ですが、立地などの条件によってはこの限りではありません。
人々にキッチンカーを認知してもらい、お客として来てもらうための費用です。継続的に配るチラシやメニューなどの備品、ホームページの維持・更新費用などが含まれます。
キッチンカーの営業を軌道に乗せるためには、ある程度の期間が必要です。運転資金は2~3か月分以上、理想は半年以上の運転資金を確保しておけると気持ちの上でも安定した運営ができるでしょう。ワンオペで起業する場合でも、自分自身への給料(生活費)をきちんと計算に入れておきましょう。
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これまでキッチンカーの開業資金を、初期費用(イニシャルコスト)と運転資金(ランニングコスト)に分けて解説してきました。
それでは、具体的にキッチンカーを開業する場合、どれくらいの資金が必要になるのでしょうか。2つのキッチンカーを例にとって見てみましょう。
項目 | 費用 |
---|---|
キッチンカー(軽トラを新車購入し改装) | 300万円(内装・設備工事費含む) |
ガス式クレープ焼き機 | 20万円 |
その他調理道具 | 3万円 |
のぼり・タペストリー・看板制作費 | 10万円 |
チラシ印刷代 | 1万円 |
保険料 | 2万円 |
運転資金(3ヶ月分) | 30万円 |
営業許可申請費 | 18,300円 |
食品衛生責任者講習受講料 | 12,000円 |
合計 | 369万300円 |
項目 | 費用 |
---|---|
キッチンカー(ワゴン車を新車購入し改装) | 250万円(内装・設備工事費含む) |
調理器具(コンロ・大型炊飯器・深鍋) | 15万円 |
その他調理道具 | 3万円 |
のぼり・タペストリー・看板制作費 | 10万円 |
チラシ印刷代 | 1万円 |
保険料 | 2万円 |
運転資金(3ヶ月分) | 60万円 |
営業許可申請費 | 18,300円 |
食品衛生責任者講習受講料 | 12,000円 |
合計 | 344万300円 |
「自己資金なしでキッチンカーを開業できるのか」といったことを考える人がまれにおり、質問を受けることもあります。
しかし、自己資金0円で開業をするというのは、かなり稀なケースです。
たとえば、日本政策金融公庫の創業融資による「自己資金要件」は、2024年度より撤廃され、自己資金がなくても融資の申請を受けられるようになりましたが、かつては「創業資金の1割以上の自己資金があること」を要件とされていました。
このことから、自己資金は開業資金の1割以上、つまり40~50万円以上は必要だったことがわかります。自己資金要件が撤廃されても、開業資金の「1/3以上」の自己資金があると審査で有利になると言われています。これは、500万円の開業資金であれば、150万円以上を用意すると、融資を受けやすいということになり、用意すべき自己資金ひとつの指標となるでしょう。
現実的にはキッチンカーの頭金や数か月分の運転資金などが必要になるので、自己資金の割合が多いに越したことはありません。しかしながら開業資金をすべて自己資金で賄うことも難しいため、以下に挙げる資金調達を組み合わせることになるでしょう。
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店舗型飲食店と比べて費用は抑えられる傾向にあるものの、キッチンカーでの起業は、数百万円のまとまったお金が必要になります。自己資金に加えて、融資を受けたり、助成金や補助金を利用する、家族や知人から借りるなどで、開業資金を作っていく方法が考えられます。
融資とは、金融機関から必要な資金を「借りる」ことです。融資を受けるには事業計画書などを提出し、審査を受ける必要があります。また、借りるお金なので、当然返済義務が生じ、利息も発生します。
■ 日本政策金融公庫の『新規開業資金』
日本政策金融公庫では、「新規開業資金」として、女性や若者、シニア、廃業歴があり創業に再チャレンジする人、中小会計を適用するなど、幅広い人を対象に開業資金の融資を行っています。新規開業資金は、銀行からの融資と比べて、下記に挙げる点において有利です。
・原則「無保証人」「無担保」で利用できる
・金利が2%台と安い
・実績なしでも審査を通過しやすい
・申し込みから着金のスピードが早い
・返済期間を長めに設定が可能
項目 | 詳細 |
---|---|
対象者 | 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
返済期間 | 設備資金: 20年以内<うち据置期間5年以内> 運転資金: 10年以内<うち据置期間5年以内> |
利率 | 基準利率 無担保: 年利2.30~3.60 有担保: 年利1.30~3.10 |
以下に該当する方には、さらに有利な特別利率(無担保:年利1.90~3.20 有担保:0.90~2.70)が適用されます。
・女性の方、35歳未満または55歳以上の方
・外国人起業活動促進事業における特定外国人起業家の方で新たに事業を始める方
・.創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて新たに事業を始める方
・「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用しているまたは適用する予定の方であって、自ら事業計画書の策定を行い、認定経営革新等支援機関(税理士、公認会計士、中小企業診断士など)による指導および助言を受けている方
・地域おこし協力隊の任期を終了した方であって、地域おこし協力隊として活動した地域において新たに事業を始める方
・Uターン等により地方で新たに事業を始める方
参考:
日本政策金融公庫「新規開業資金」
■銀行からの融資
事業融資をしてくれる金融機関は、都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合などです。大手の都市銀行は、一般的に上場企業や富裕層などが融資を受けやすい(=個人の審査は厳しい)とされています。活動する地域に密着している地方銀行や信用金庫・信用組合が比較的審査が通りやすいとされています。
銀行からの融資は金利が1~3%以上と、日本政策金融公庫に比べて割高になるケースが多く、審査も厳しいため、しっかりと事業計画・資金計画を立てて申請に臨みましょう。
融資と違い、返済義務がないのが「補助金」や「助成金」です。融資と違うのは、補助金や助成金には、「補助上限額」「補助率」というものが定められています。たとえば、設備の導入に関する助成金で「補助上限額:500万円/補助率 1/2」というものがあった場合、1000万円の設備を導入する場合は、上限の500万円まで補助を受けられますが、100万円の設備を導入する場合、補助率は1/2までなので補助される金額は50万円になります。
補助金・助成金は上手に利用すれば大きな助けとなりますが、キッチンカーの開業に関するものは全国レベルではなく、自治体別でもそう多く実施されていません。開業や業態転換に関する補助金・助成金を利用することになるでしょう。まずは開業する地域の自治体や都道府県ではどのような補助金・助成金を実施しているか調べてみましょう。
国が実施している補助金・助成金で、キッチンカーの開業に利用できるものには以下があります。
事業再構築(新分野展開、業種・業態・事業転換、事業再編等)に取り組む中小企業等を支援するための制度で、申請には「認定経営革新等支援機関による事業計画の確認」や「付加価値額の向上(申請枠毎に異なる)」などを満たす必要があります。
「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」、「産業構造転換枠」、「物価高騰対策・回復再生応援枠」などさまざまな枠が用意されています。
・補助上限額:100万円~1.5億円(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・補助率:1/2~3/4(※申請枠や企業規模等によって異なる)
・補助対象経費:建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費等
革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善等を行う、中小企業等を支援するための制度です。「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」、「グローバル市場開拓枠」が設けられています。
基本要件として「給与支給総額を年率平均1.5%以上増加」、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い」、「付加価値額を年率平均3%以上増加」を満たす3~5年の事業計画策定、実施する必要があります。
・補助上限額:100万円~4,000万円(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・補助率:1/2~2/3(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費等
小規模事業者等の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する補助金です。「通常枠」、「賃金引上げ枠」、「卒業枠」、「後継者支援枠」、「創業枠」などの枠があります。インボイス特例が設けられており、「免税事業者から適格請求書発行事業者への転換」などの要件を満たした事業者は、補助上限額が50万円上乗せされる制度です。
・補助上限額:通常枠=50万円、賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠=200万円(※インボイス特例適用事業者は50万円上乗せ)
・補助率:2/3(※賃金引上げ枠のうち、赤字事業者は3/4)
・補助対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費
自己資金が足りない場合、家族や知人などから借りることも考えられます。しかしながら、個人間のお金の貸し借りはトラブルになりやすいため、以下の点に留意するとのちに遺恨が残ることも少なくありません。なるべく日本政策金融公庫や銀行などの融資を得ることを目指し、知人から借り入れることを少なくする方が無難です。
・借用書を作る
貸付金額がいくらであるか、返済期日や返済に関する取り決め、利息や遅延損害金などを明記した借用書を作り、借りる人と自分で一通ずつ持っておきましょう。
・貸付・返済は銀行口座を介して行う
貸付や返済においては、お互いに記録が残る形で行うことが鉄則です。もし直接返済する場合は、必ず領収書をもらうなど取り決めをしておきましょう。
・保証人や担保を設定する
万が一借りたお金が返せなかった場合、連帯保証人や担保を設定しておくことで、貸す側も安心してお金を貸すことができます。
近年、クラウドファンディングでの資金集めも一般的になってきています。クラウドファンディングとは、人々(クラウド)から、ある目的でのお金を集め、その目的が達成された時に、人々にリターンを返すという資金調達方法です。
一人ひとりは数千円~数万円という小さな出資ですが、集まると数百、数千万円になるという可能性を秘めています。しかし、クラウドファンディングで資金を調達するには、まず「応援したくなる」「魅力的なリターンがある」プロジェクトであることが大切です。また、多くの人にクラウドファンディングの存在を知ってもらわないと、そもそも資金が集まりません。
キッチンカーをただ開業したいというだけでなく、どのような思いがあるのか、どのように社会に貢献していくのか、どのようなリターンがあるかということを広く知らしめ、人々の共感を得ることが肝になります。
また、リターンに関しても注意が必要です。飲食店のクラウドファンディングでは「無料食事券」「ノベルティグッズ」といった形でリターンを設定することが多いのですが、それは開業後の売上がクラウドファンディングによって先取りされていることと同義です。クラウドファンディングを行う際は、開業後のキャッシュフローについてよく検討し、リターンを設定するとよいでしょう。
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これまで見てきたキッチンカーの開業資金をできるだけ抑える方法はいくつか考えられます。自分で取り入れられる方法を見極め、資金調達法と組み合わせることで、開業資金を安くすることができるでしょう。以下より、それぞれの方法について解説していきます。
キッチンカー開業にかかるお金の大半は、車取得にかかる費用のため、中古車を利用することで費用を抑えることができます。
近年、キッチンカーは中古車市場でも人気のため、状態のいい中古車は人気で、値段は上昇傾向にあります。新車で300万円のキッチンカーであれば、状態にもよりますが、おおよそ50~100万円ほど抑えることもできるでしょう。
しかし、中古車を利用する場合、設備や機材が揃っているか、現在の営業許可基準に適しているかなど注意が必要です。場合によっては改装が必要になり費用が余計にかかることもあります。
内装費用を抑えるため、DIYでキッチンカーの内装を作ることも考えられます。車両改造費用でる100~150万円ほどかかるコストを最大限に抑え、安く開業ができる点は大きなメリットです。また、細かな設備の配置も自分で決められるカスタマイズ性が高いのも魅力です。
しかしながら、施工期間は長くかかり、手間が大きい点はデメリットです。また、電気やガスの専門知識が必要な作業もあるため、素人では安全面の担保も難しく、車検や営業許可が取りづらいこともネックです。
そこまでしても抑えられるのは50万円程度になることも多く、非常に趣味性の高い選択肢とも言えます。DIYに自信がない場合は、専門的な知識が必要な作業を業者に頼み、カスタマイズを自分自身で行うなど検討すべきでしょう。
キッチンカーの設備費用を抑えるためには、機材を絞る、つまり提供するメニューをひとつにすることも考えられます。
例えばクレープなどが人気なのは、1種類の機材ででき、トッピングでバリエーションをつけられる点です。さらにメニューを絞って「バターシュガークレープ専門店」としてみてはどうでしょう。仕入れは生地を作るための粉と、砂糖とバターのみで、原価を抑えつつ、専門性が高まる選択肢は、このようにさまざま考えることができます。
メニューが少ない、いわゆる専門性の高いキッチンカーは、万人受けはしませんが、ファンがつけば、目当てで来てくれることもあるため、ひとつのメニューを極めることも、キッチンカーにとっての戦略のひとつとなるかもしれません。
当サイト「モビマル」はキッチンカー事業者と、キッチンカーを呼びたい人のマッチングサービスです。
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