埼玉県三郷市を拠点に、フランスの郷土料理「ガレット」をキッチンカーで提供している、KANPARISの網本愛美子さん。2022年から本格的にキッチンカーでの販売をスタートし、精力的にさまざまな場で出店されています。
幼少期にフランスで生活した時にガレットと初めて出会った網本さん。十数年の会社員の経験を経てキッチンカーでの販売を始めた経緯や、現在のお仕事の魅力などについてお聞きしました。
コロナ渦に「明日は生きていないかもしれない」
私は、2022年9月末までペット系企業で会社員をしていました。コールセンターから動物病院勤務、経営企画、EC、総務までさまざまなことを経験。動物が好きということもあり、仕事にやりがいを感じていました。
ところが、コロナ禍で出勤せずにリモート勤務に切り替わり、部屋に1人こもっていたら、ふと「明日は、私も生きていないかもしれない」と思ったんです。
そのとき焦燥感が募り「自分のやりたいことをしよう!でも何しよう?」と思ったら、「フランスで食べたガレット美味しかったなあ」と。ガレットを販売することにしました。
でも店舗運営のノウハウもない。できるだけリスクを取らずにできる方法を考えていたときに、モビマルのキッチンカー開業セミナーを見つけて参加。副業としてキッチンカーでの販売をスタートし、軌道に乗ってきたので会社を退職し、キッチンカー事業に専念することにしました。
ちなみに、屋号の「KANPARIS」は「関西生まれのパリジェンヌがお店をしたら…」ということで付けています。
コロナ禍で健康を意識。お客さまにも安心安全な食事を提供したい
実は、コロナ渦と同じタイミングでいろいろと考えすぎてしまい、会社をお休みしたことがありました。今はめちゃくちゃ元気ですが(笑)。
その時に改めて「健康って大事だな」と痛感し、それがきっかけで、健康に直結する食についてより向き合うことに。
また、一生の食事回数は限られているので一回の食事を大事にすることはもちろん、素材や影響についても考えるようになりました。
だから、KANPARISで提供しているガレットのコンセプトは、「美味しい!優しい!ヘルシー!」で、カラダと環境にも優しいメニューです。
国内産の素材を使うことで、フードマイレージを減らしたり、バターは牧草だけを食べた牛から採った牛乳から作られた「グラスフェッドバター」を使っています。
お客さまの大切な1回の食事を預からせていただく、という想いのもと、「美味しい」以外の部分も考えながらお作りしています。
移動販売は「場所探し」が大変
キッチンカーでの販売を始めてから、思っていたよりも大変なのは、出店場所探しです。自分で場所を開拓しようと思い、何軒か電話をしてみたのですが、「うちはそういうのをやってませんので」とあっさりと断られました。アプローチの仕方を間違えたのかもしれませんが、だからモビマルのように出店先を確保してくれるサービスがあるんだなと思いました(笑)。
お客さまの「次はいつ来てくれるんですか?」が嬉しい
会社員時代もそうでしたが、お客さまとのコミュニケーションが大好きです。モビマル経由で埼玉県内の区役所に出店させていただいた際も、お客さまがたくさんお話をしてくださいました。
ガレットについてありがたいアドバイスをいただいたり、「今お腹いっぱいだから、インスタだけフォローさせて!」など、一言お声がけいただくことも励みになっています。
その中でも一番と言っていいほど嬉しいのは、「次はいつ来てくれるんですか?」というお声をいただくこと。食材にこだわっているものだからこそお客さまにリピートしていただけるのは本当にやりがいを感じますね。
キッチンカー事業は人生でやりたいこと第一弾
今はキッチンカー事業に集中していますが、コロナ渦で「明日生きていないかもしれない」と思った時に、やりたいと思ったことが3つあります。
1つ目はキッチンカーでガレットを販売すること。これはノウハウが少しずつわかってきたので、来年はスタッフを雇ってキッチンカーをお任せしたいと考えています。
2つ目はアクセサリー屋さんをすること。自分でアクセサリーを作ったりするのも好きなので、いつかリアル店舗を出したいと思っています。
そして3つ目は、ペットと気兼ねなく住める不動産開発。これはどこから手をつけるか考えていますが、会社員時代の経験を活かしながら進めていきたいです。将来1つのビルで3つの事業ができたら…と夢は膨らむばかりです。
このように今は心身ともに元気になれたのも、キッチンカーでガレットを販売するという新しい人生の目標を叶えることができたからだと思っています。
これからも一歩一歩、目標を叶えていきたいと思います。
KANPARIS
https://www.instagram.com/voila_kanparis/