キッチンカー開業を考えるなら、知っておきたいメリット・デメリット

キッチンカー開業
公開日:2024/06/10 更新日:2024/08/02
キッチンカーで商品を受け渡ししている写真

画像素材:PIXTA

初期費用を安く抑えて開業ができることから、近年注目が集まっているキッチンカー。今回は、費用面だけではないメリットや、開業を考える上で知っておきたいデメリットについて詳しく解説していきます。

下記記事でも開業についての流れをまとめています。キッチンカーの開業を考えるのであれば、併せて読んでみてください。

▼キッチンカーを開業するには何が必要? 移動販売のメリットと開業までの5つのステップ

キッチンカー(移動販売車・フードトラック)のメリットとは?

キッチンカーは、店舗型の飲食店と比較し開業のハードルが低いことがメリットに挙げられます。以下のような費用面や、モビリティの良さに起因するメリットは、起業家や新規参入者にとって魅力的なものです。

キッチンカーのメリット(1)初期費用の安さ

日本政策金融公庫総合研究所の発表によると、2022年での飲食店開業費用における平均は「1077万円」でした。店舗型の飲食店の場合、物件の取得費用や内外装の工事費、機材費などがかかります。店舗型と比較した場合、キッチンカーの初期費用の大半は「車取得にかかる費用」となるため、250万円~500万円程度と安く開業費用を抑えられます。

車取得にかかる費用については以下で解説しています。

▼キッチンカーを購入するなら新車と中古どっち? それぞれのメリットや相場を解説

また、レンタル・リースを利用すると、より初期費用を抑えられます。

▼キッチンカーはレンタルで開業できる? リースとの違いや相場感を解説

キッチンカーのメリット(2)運転資金(維持費)の安さ

店舗型の飲食店は、営業をしていない間でも家賃や水道光熱費がかかるため、営業をしていない間でも一定の固定費がかかります。対してキッチンカーは営業していない時にかかる費用は駐車場代など車両維持のものだけで済むため、大半のケースで店舗型の飲食店と比べて安くなります。

キッチンカーのメリット(3)モビリティ(機動性)が高い

キッチンカーは出店する場所や時間を自由に選べます。週末はイベントや観光地に、平日は人が集まるオフィス街といったように、タイミングによって営業場所を変えられ、運営の自由度も高いのが魅力です。

キッチンカーのメリット(4)自由度の高さ

営業する時間や場所にくわえ、キッチンカーの外装デザインや、取り扱うメニューは店舗型と比べて変更が容易です。トレンドに合わせた業態変更も比較的気軽に行えるため、柔軟な運営ができます。

路上で営業しているキッチンカー

画像素材:PIXTA

キッチンカー(移動販売車・フードトラック)のデメリットとは?

キッチンカーのデメリットは「車であること」、そして運営を安定させることの難しさに起因するものが考えられます。

キッチンカーのデメリット(1)調理や仕込みスペースの狭さ

キッチンカーの調理スペースは限られているため、仕込みや調理がしづらくなっています。そのため、作業の徹底した効率化が求められます。

キッチンカーのデメリット(2)季節や天候に客足が左右される

キッチンカーは屋外での営業を主体とするため、時間や天候など「制御できないもの」に客足が左右されることが多々あります。仕入れや仕込みの量、売上を予測することは簡単ではなく、せっかく用意した商品が悪天候でほとんど売れないということも考えられます。

キッチンカーのデメリット(3)競合が多く、差別化が難しい

人気のあるキッチンカーの出店場所には、競合も多く、なかなか出店することが難しいことも運営の難しさのひとつです。新規参入者も少なくないため、まずはそこから頭ひとつ抜けるために差別化できる商品・サービスなどを検討する必要があります。

キッチンカーの儲かるメニューや、人気の出店場所については以下でも詳しく解説しています。

キッチンカーのデメリット(4)営業許可の取得が難しい・面倒

キッチンカーで営業許可を取得するには、保健所によって定められた衛生基準を満たす必要があります。営業許可は「出店場所を管轄する保健所」で取得するのですが、管轄エリアをまたぐ場合はそれぞれの保健所で出店許可を取得する必要があります。

キッチンカーの許可については、以下の記事でも解説しています。

▼キッチンカーで開業するために必要な資格・許可は? 調理師免許は必要?

キッチンカーのデメリット(5)車内のレイアウト変更が難しい

自由度の高いキッチンカーですが、車に合わせて作られたレイアウトの変更は簡単ではありません。調理導線は日々の営業に関わってくる部分のため、最初の設計を慎重に行う必要があります。

費用面・自由度での優位性と、安定運営の難しさ

コロナ禍が明け、キッチンカーの出店場所やイベント需要も増えてきています。自由度の高さに対し、運営は決して簡単なものではありませんが、自分自身の「実現したいこと」をよく考えて、開業を検討してください。

キッチンカーの開業を

検討中の方へ

無料セミナー常時開催

出店に対するお悩みを解決

オフライン・オンラインともに参加可能

この記事を監修した人
太田 明男
一般社団法人日本移動販売協会 代表理事
1992年リクルートに入社。
2019年に「一般社団法人日本移動販売協会」を創立。移動販売のマッチングサービス「モビマル」を関西圏からスタートし、現在全国に展開中。